今日はCSニュースで「タカラヅカ・スペシャル」のお稽古映像が、流れたそうですね(T_T)
楽しみに帰ってきたのですが、いつもニュース見ている10時頃。
私は夢中になって「はじめの一歩」の新刊を読んでいたのでした。
ああ、宮田君はカッコイイなぁ。本物のカッコ良さだけど、あまりに出来過ぎにカッコ良くて先行きが心配。これだけ出来過ぎだと、普通だったら悲劇に向かいそうなんだよね。あんまり「お約束」を踏襲しない作家さんだから、気の回し過ぎ…だと思おう。ああ、いったいどういう決着がつくんだろう。ドキドキ。
あまりに出来過ぎなところが、危険な香り…という宮田君は、存在自体が切ないです。でも、今まで土壇場で勝ち続けてきたし、大丈夫だよね、きっと。
それにしても、やっぱりかっこ良いなーと、溜め息をついて読み終わり。

ふと時計を見ると、10時半!
…ショックでした。ニュースを録画しておけばよかったのに(T_T)
明日、ちゃんと見ればいいことなんですが、やっぱり少しでも早くみたいじゃないですか。21日の中継を見に行く予定なのですが、私の見たいところがたくさん映るといいなー♪

さて、またもや一人のみですが。ちまちま書き続けていきます。

・白鳥かすが・・・助監督/団長
月組時代から、なにかとご縁のあった「ちあき」。いつの間にか大きく成長して、組替後の「ちゃー」という呼び名にも慣れよう思っている間に、ご卒業されてしまいました。
今でも、「ちあき」の新公カシウスの事をよく覚えています。本役とのあまりの違いが、印象的で。
だいだいオオゾラさんの役を新公で演じる生徒さんは、本役とはかなり違うものです。オオゾラさんの役の掴みかた、表現の仕方って、本当に特殊なんだなーと、新公を見る度に思うのですが。オオゾラさんと同じようなイメージに作る事は、誰にも、どうやっても、不可能なんですよね。
そして私が見た中では、ちあきのカシウスが、一番イメージが違って面白かったのでよく覚えているんです。
熱さと激しさ全開の、勢いのあるカシウス。その後、彼女のどんな役を見ても、熱くて勢いがある芝居が面白いと思っていました。
でもなんだか、勢いが有り過ぎて、ちょっと空回り気味?いつの間にか、勢いが有るのに、困った顔ばかりしているような印象の男役さんとなっていました。
組替え後は中堅の男役として、与えらる役の幅も大きくなり…いつでも限界まで頑張っているという印象で。
それが、この公演ではすっかり肩の力が抜けた、おだやかな笑顔で、自然に「助監督」として舞台で輝いていました。
以前の「頑張ってます!!!」という頑なさが消えた姿は、新鮮な魅力のある男役像で。

決してやり過ぎない、抑えた芝居ながら「いかにも」本当にいそうな助監督。
腰は低いけれども、卑屈さやいじましい感じが無く、人の良さそうな…でも中身は結構モノ事を分かった大人な気がする。監督やら、役者達やら、カメラマンやら…周りの人々が、中身はコドモなのとは違って(^^)マトモな人という印象。
「団長」は、作りこみ過ぎで、まりんさんとお二人、最初は誰だか全然わかりませんでした(^^ゞ
本当に楽しそうだったなぁ。
ご本人が舞台を楽しんでらっしゃる事は、やっぱり見ている側に伝わるものなんですよね。
もう少し前に、この余裕が出せていたらなぁと、何度も思わされました。
…詮無い事だと、分かってはいますが(泣)
最後となったこの公演で、本当に楽しそうに幸せそうに舞台で「助監督」の人生を生きて下さって。見ていて、とても幸せな気持ちになりました。…ありがとう。
もう、随分時間がたってしまいましたが(^^ゞ

このペースで書き続けてても、銀ちゃんにまで辿りつけない気がしています。
どこで、バックレる事になるか(・_・;)



宝塚友の会、花組東京公演の抽選方式の申し込みをしました。
ネットでの申し込みは、便利で分かりやすくていいですね。
でも、値上げは痛いなぁ。
運というモノとは縁遠い私は、今までずっーーーーっと、S席といえば17列以降の端っこのほうで見るもの、でした。
これからは、元A席だった場所の端っこで見るモノになりそうな(-_-;)
怖くて、SS席やS席での抽選申し込みはイヤな気がして、ついついB席ばかり入力しそうになったり。
でも、貧乏人の私が、良いお席で見る事ができる可能性があるのは、友の会抽選しか無い、とも言えるワケで。…今のところ、私は一度も良い席が当たった事はありませんが。残念ながら。
生涯最高の席で見たのが、友人が友の会で二列目が当たった時に同席させてもらった事なので、世の中の何処かには、そんな可能性も有るらしいと夢見ているのです。
チケットの神様、お願いです。どうか、良いお席が当たりますように…。

さて、ほんの少しですが、続きを書きます。
今回は一人だけ、朋子さんです(^^)

・華耀きらり・・・朋子
ぱぁ~っとして、可愛い可愛い朋子さん。
演出家から「宇宙人」というキャラ指定だったとの事ですが、本当にぶっとんだキャラで、ともかく可愛くて(^.^)
初演の朋子さんは、グラマーで派手好きだけどおっとりしたお嬢さんという、ごくごく普通の人間だったのですが。
この再演で、演出家が何故に宇宙人キャラに変更したのかは、謎でした。
まあ、可愛かったから!あの可愛いさを見せたかったなら、それでいいのかな、とも思えます。今回の再演は、濃いキャラクター達を見せる事が演出方針だったのかもしれません。

でも、この朋子さんというキャラクターを作ったきらりちゃんは、なかなかすごいと思います。
何がすごいって、観客の大部分を占める女性達に嫌われない、絶妙のバランスで成り立っていた事。
銀ちゃんの新しい恋人ですから、ヒロイン小夏に感情移入する観客からみて、「客から嫌われてナンボ」という役どころの筈なんですよね、本来は。
「ぷんぷんですの!」とか、一般的に嫌われそうな”ぶりっこ”系(死語)のキャラでもあり。女性からイヤがられるタイプかなーと思いきや、全然イヤな感じは無くて、ただ可愛いばかりでしたね。無邪気で愛嬌があり、おバカな感じがしなくて。意外に、男性に媚びる感じが無い気がしたので、その為かな。
以前にも書きましたが、小夏のお話を聞く場面での朋子さんは、態度が悪くてかなりムカついている事が見えて、怖いんですよね。
銀ちゃんの登場で、そういうふうに言えば、銀ちゃんが小夏を帰す事がわかっていて「じゃあ、お姉さまもご一緒に〜」なんて言うのが、私は一番怖かったのですが。でも、そんな女の怖さを見せてもいるのに、ジメっとした陰湿さを感じさせないのも、絶妙なバランスでした。
ドラマシティの前半に見た時は、あの怖さは無かったのに、後半にはキャラクターがチェンジしていたのも印象深いです。舞台で感じて変化していったのかな?感受性豊かで、賢い娘役さんだなと思いました。
それに、ミニのワンピースにブーツのスタイルのバランスも、絶妙でしたね♪
可愛いから、何でも許しちゃいます。

…まだ、先は長いなー。

愚痴

2008年12月15日 日常
この二日間、ちょっと体調が悪くて、土日の休みをダラダラと何もせずに過ごしてしまいました。
先週はかなりの進捗をみせたた大掃除も、完全ストップ。美術館に行ったり、そのついでにお買い物に行ったり…といった、夢も希望も失われました。

この休みに「銀ちゃんの恋」のDVDを見たり、感想を少し書き留めたり…という計画も頓挫。
今日は神坂智子氏の「シルク・ロード」シリーズの総集編を読んでゴロゴロ…で、一日が終わり。昨日も、何か、古くから持っていてしばらく読んでなかった本を読んでいた筈ですが、もう何だったのか思い出せない。
…最近、ものすごい記憶力の後退を感じます。
やっぱり、年なのかなー?

10年間のオオゾラさんの舞台の記憶も、最近どんどん薄れていくような気がしています。少しでも書き留めておきたくて、このブログを始めたのですが。
今、現在の記憶を書き綴るのに精一杯で、過去の思い出にまで手がまわりません。
文章を書くのが大嫌いで、書くのが遅くて、怠け者の私の事ですから…この先も、この状況は変わらないかなぁ。
そもそも私の記憶と個人的な感想を、このように、人に見える場所に置いておくのも意味が無い事なのですが。
記憶というものは、やはり文字に書き留めておくのが、一番確実な保存法なのかな…と、書き始めたけど、やっぱり苦手。
何か他に、思い出を記憶の風化から守る方法はないものでしょうか?

すっかり寒くなりましたね。
空気が澄んでいて、すっかり冬の空気です。
そして、街に流れるのはクリスマスソング。クリスマスの歌って、どうしてどの曲も心浮き立つものなのでしょうか。別に楽しい曲じゃなくても、なんだか胸に迫る特別な曲ばかりですよね。
やはり、みんな祈りをこめた歌だから、なのかな…。

さて、中断したままの愛しい仲間達について。
まとめて書こうとすると、時間がかかりそうなので、細切れでアップしていきます。ちょっとずつですが…一歩でも前進していこうかと。

・夕霧らい・・・マコト/村の男
銀ちゃんの子分チームの中の、空気の読めない男。
いつも銀ちゃんを怒らせては、彼の怒りの芝居を導き出す…という役どころで、オオゾラさんと、良いコンビネーションを見せて下さいました。
冒頭の立ち回りの後、銀ちゃんの袖口を一生懸命扇いで、蹴り飛ばされるのが可愛かったですね。でも、全然メゲないのが、彼の良いところ(^^)
すぐに立ち上がって、全身を扇ぎ始めるのです。
オフの場面では、大きな眼鏡が印象的なので、撮影の場面になるとあまりにキレイなお顔のマコト君にびっくりします。
印象的なのは、任侠の場面で、台詞の声がひっくり返って変な声を出すところ。お稽古場レポでは、初の映画出演という設定との事。
「初舞台」と言ってましたが^^;
あれが5年くらい前というのは、あの会話でのみ語られた設定なんですね。原作では銀ちゃんと小夏の付き合いは3年程度らしいのですが。
マコトの一番の見せ場は、ヤスを馬鹿にした橘に食ってかかる、男気を感じさせる場面ですよね。
いつも気弱そうなマコトが、ヤスの為に!…と、キュンときちゃいますね。
普段は抑えていた激情を爆発させる程の怒り、ヤスを心配する気持ちをきっちりと見せて、グっとくる芝居でした。

・紫陽レネ・・・橘のマネージャー/保険屋/池田屋/ボーイ/村の男など
こうして出番を書き出してみると、意外に少ないな…と思ってしまう程に、色々な役で大活躍だった方。
七変化が印象的だったので、どの場面でも常にレネちゃんの芝居を見ていた気がするのですが(^^ゞ
最初は全然わからずに、同じ人だとは思わなかったので、気づいた時はびっくりでした。どの役も本当に上手いですよね~。
やっぱり一番派手で目立つのは、保険屋ですよね。投げ飛ばされた後の転がり方が素晴らしい!体、柔らかいんだな~。
最後の「はんこ、くださ~い~」の間が本当に良くて、毎回唸らされておりました。暗転にはいる時の、絶妙の切り替えの台詞でしたね。
地味だけど、感心させられたのは、池田屋。
ドラマシティの最初の時は「お二階の方々~」の台詞がいまひとつで、保険屋があんなに上手いのに、難しいものなんだなーと思っておりましたが。
後半には、見違えるように上手くなっていましたね。青年館では更に良くなっていましたが、毎公演、言い方を工夫して向上していたのも、見ていて嬉しかったです。

さて、このあとはプログラムでは扮装写真のメンバーになります。
タイムリミット、花組お正月公演までに、少しずつでも…。

年末の恐怖

2008年12月8日 日常
12月に入り、今日は大掃除第一弾に挑戦しました。
簡単な模様替えと、お掃除。

この時期毎年味わう恐怖。
…それは「歌劇」の恐ろしさです。
友の会の年間購読を始めて、もう何年たったのでしょうか?
考えたくないので、調べは致しませんが、ほとんど手付かずで残っている筈。
数年前に引っ越した時、かなり捨ててしまったような記憶もありますが、確認する勇気も持てず(^^ゞ

「グラフ」は、興味のある記事が掲載された号した買っていないので、まだまし。
それでも最近はオオゾラさんが掲載される率がかなり上がったので、年に5~6冊も買うようになった気がします。
以前は、年に2~3冊しか買わずに済んでいたような(-_-;)
おかげで以前のグラフの記事で、気にいった写真を探した時にすぐに見付かりましたから…。

その他の雑誌類の記事なども、定期的にまとめて切り抜いて、雑誌本体は捨てているのですが。
今日は見なかった事にして、掃除を優先しました。

いつか、あのモノ達と向き合わなければならない、恐怖の時が訪れる…。

読んでしまいました。「銀ちゃんの感想」を書き終えるまで我慢しようと思っていたのに。
何事も、我慢のきかない性格なんです(-_-メ)

……ヤス、濃いなぁ。
ヤスのあまりにも濃密な語りが重すぎて、一気読みができませんでした。
途中で挫折なんて、自分が許せない!
でも、ツライ^^;

勇気を奮い立たせて、読むのを再開。
でも、ちょっと弱気に「小夏のはなし」から手をつけてみた(^^ゞ
すると、嘘のようにするっと読めてしまい、あっという間に読み終わり。
なんとか勢いを付けて、前半の挫折した部分から続きを読み、ちゃんと繋がりました。

なんだか、色々と謎が繋がった感じ。
これならば、公演始まる前に読んでおけばよかったな。なるべく原作は読まないほうがいいかと思ったんだけど、まあ、再演なんだし関係なかったかも。
ともかく、考えるデータがまた一つ増えたので、感想の幅が広がったけど…ちゃんと全部書き留める事は可能なのでしょうか?


「歌劇」12月号が届いていました。
表紙の霧矢さんは、さすがに綺麗♪

実は私、「歌劇」などのポートって見るの好きなんです。
ジェンヌさん達の色々な個性を表現する”絵”として。
当たりもあれば、・・・なものもあり。
そして、たまに大ハズレがあるのも、また一興。
毎月ポートだけは順番に1ページずつ、全部見ます。
つまり、他の記事はあまり見てません(^^ゞ

…そして。突然、眼鏡をかけた素敵な方の写真で、動きが止まりました。
びっくり。
もちろん、予告されていた筈ですが、そんな事は覚えてはおりません。

まあ、オオゾラさんったら。
今度は眼鏡ですか。
白いシャツにネクタイ。グレーのジャケット。
ちょっと変わったジーンズにベルトは無し。
分厚い本を抱えて、もう片手は、かるくジーンズのポケットへ。
ものすごーく、自然に。
薄いグリーンを背景に、爽やかに立っていらっしゃいます。
オオゾラさん的には面白みに欠けると言ってもいいほどの、とっても「歌劇」のポートらしい、オーソドックなお写真ですが。
あのギラギラとした、銀ちゃんの後ですから。
あの可愛い、パーソナルカレンダーの後ですから。
このオーソドックスさが逆に新鮮。

ああ、またしても。
オオゾラさんの、あざとい計算が素晴らしいです。
色々な変化を見せてファンを驚かせた後に。
この、いかにもオオゾラさんらしいお写真ですよ。
控えめな微笑を見ていると。
「やっぱり、みんなこういうのが、好きでしょ?」
「眼鏡、すきだよねー?」
というお声が、頭の中に聞こえてきます。
ええ、好きですともさ。
絶対飾りでしょう、という本まで嬉しいですよ。
…こうやって、掌のうえで転がされている事まで、楽しいですよ。
ちょとテンションが上がりました。

更にページをめくって、みつる君のポートも出現。
可愛いなぁ(^.^)
こんなにキレイなお顔なのに、よくあんなヤスになってたよなぁ。
すごいなー。

しずくちゃんと、らんちゃんも可愛い(*^_^*)
でも、しずくちゃんの髪、ちょっとびみょーだなあ。まとめているのか、おろしているのか、半端な感じ。
お顔がものすごく可愛い美少女なので、どうでもいいといえばいいんだけど。
そして、ページをめくれば、和音美桜ちゃんの袴姿に切なくなって…。
時は流れる。人生色々。お幸せになってほしいです。
またどこかの劇場で、美声を響かせて下さい。

各組、若手集合写真のページが楽しいですね。
気がつけば花組の皆さんもちゃんと覚えている自分に、時の流れを感じたり。
でも、ごめんなさい。娘役さんお一人だけ、お顔と名前が結びつかない方が。
次の公演で、頑張って覚えます。

…もはや、月組若手のほうが分からないんだなぁ。しみじみ。



そして。若手スターへの質問コーナーの、すみ花ちゃんが可愛いです。
可愛すぎますよ、もうメロメロです(+_+)
ああ、なんであんなに可愛いんだろう…。

まちどおしい

2008年12月4日 宝塚
CSの1月放送で、やっと全ツ版の「あかねさす紫の花」と「レ・ビジュー・ブリアン」が放送されますね。
以前からラインナップ一部発表で分かってはおりましたが、番組予告が流れ始めると、改めて待ち遠しくなりました。
やっと、中大兄皇子さまに、お会いできるのですね。
中大兄さまは、かなり芝居が変わっていった役だったので、最後はどこまで行ったのか。私はこの公演の楽は見られなかったので、ずうーーーーーーーーーーっと、待っていたのです。
長かった~。まさか二年以上放送されないとは。

まあ、主役じゃないから、きっと私が見たい部分で映らないところは多いでしょうけどね^^;

それに、ショーの全ツ限定の場面が、チラリと映るのも嬉しいです♪
懐かしいな~。
とても雰囲気のある良い場面で、大好きでした。

それにしても、オオゾラさん関係、本当にCSさんは放送してくれませんよね。
そろそろ一年になりますが「HOLLYWOOD LOVER」は、いつ放送してくれるのでしょうか。
そして、通常は数か月で放送されるディナーショーは、いったいいつになるのか…。


雪組WS『凍てついた明日-ボニー&クライドとの邂逅(かいこう)-』 も、やっと放送されますね。
これも楽しみ。
ちょうど花組公演中だったので、一度だけバウで見れましたが、一度ではもの足りなくて。
なにしろ、ミナコちゃん(愛原 実花)のボニーにかなり泣かされましたから。
私はあまり舞台を見て泣く事はないタイプなので、かなり貴重な事です。
あの胸をぎゅっと掴まれるような痛みは、テレビの映像では感じ得ないものだとは思いますが…。
私は初演を見ていないので、このWSが「凍てついた明日」の、初体験だったのです。雪組さんの若い若いメンバーで紡ぎだす、ひりひりするような若さの痛みが、とても印象的だった舞台。
その中でも、ひと際痛々しい光を放つミナコちゃんに、すっかり心を奪われて帰ってきました。

私はどうも娘役さんに泣かされる事のほうが多くて。
先日も宙組公演をみて、陽月 華ちゃんのキャサリンと美穂 圭子お姉さまのローズマリーの、二人のヒロインに泣かされてきました。
作品の感想については、そのうち書きたいと思いますが…銀ちゃんについてが書き終わってからかな(^^ゞ

ともかく、花組公演も楽しみだし、早く1月にならないかな(^.^)
愛しいみんな達についてもまだ書きかけですが、ちょっと一休みして、以前に書きかけた「小夏」について。

私は初演の販売ビデオを見た時に一番印象的だったのが、小夏でした。
この小夏という役、すごく大変な役ですよね。
基本として、銀ちゃんに対しては恋や愛なんかを抱いていたのだと思いますが、ヤスに対しては「情がうつった」と言ったほうがいいのかなーと思います。
ヤスに対して甘い夢を見たり、トキメキを感じたりする事は無いけれど、相手の優しさに対して、優しさを返していく事で成り立つ関係。
甘い夢を諦めた後の、穏やかで、現実的な関係。
甘い夢を諦めた寂しさと、お互いのズルさも含めて、二人で慰めあうような…現実の切なさを含んだ関係。
そんな二人の切なさが爆発する、二幕の夫婦喧嘩の場面。

小夏は叫びます。
「おなかだけは、蹴らないでよ!私の子なんだから!!」
…怖かったです。
「私の子」という言葉が。小夏の、小夏だけの、子。
それが、彼女の本音だったんだ。
黙って銀ちゃんに振り回されているように見えていた小夏の、本音。
女って怖いなーーと、心底思いました。私もまだ、若かったんだと思います(^^ゞ

銀ちゃんにあんな酷い事をされても、それでも。
小夏は子供が大事だったから。子供を守りたかったから。
田舎に帰らずに、無茶な結婚もした。
何よりも子供が大事な事は、男達には黙ったままで。

銀ちゃんを愛しているのも、彼の子供だから産みたいのも、嘘ではないとは思います。そして、ヤスに情がうつった事も、本当。
全て本当の事で嘘ではない。銀ちゃんもヤスも子供も、全て大事で捨てられない。
だから、小夏は黙り込む。

黙って銀ちゃんの部屋の鍵を返し、ヤスとの結婚に同意して。
ヤスの人生を犠牲にしても、子供を守る決意をする。ただ黙って、ヤスに頭を下げて。でも、ヤスの優しさに癒されて、彼の本気に引きずられて。
情がうつって…ヤスを受け入れて。
それでも、心の底に銀ちゃんがいる事は黙っている。
そして小夏は、自分に嘘をつく。
ヤスと一緒になって、幸せだと。
もう、銀ちゃんの事は何とも思ってない、ヤスを愛している、と。

小夏は銀ちゃんを愛しているかもしれないけれど、信じては、いない。
そして、ヤスに情をうつした小夏は、自分の愛を信じていない。
自分を信じられない小夏が、ヤスの愛にすがって愛の言葉を口にする。
まあ、ヤスにはもう一つ大事な、銀ちゃんへの想いがあるわけで。
それをうっすらと感じつつ、小夏は嘘をつく。
「あんたを、愛しているのよ」
…女って怖いなーと、思ったのですよ。自分が幸せになる為なら、本当に何だってできちゃうんですから。
嘘だけど、本当の事に…真実の嘘をつくことだってできるのです。

まあ、小夏にとっては現実に自分の中に育っている子供なのにね。
「なんとかしてくれ」なんて言うヤツは、そりゃー信じられませんよね。
そんな父親、困りますから。
なんとかって、何?!子供を殺せって事?そんな事、できるワケないじゃない!!
確かに。だから、小夏が「私の子なんだから!」と、叫ぶのは分かります。
小夏は一人で、子供を守らなければならなかったのですから。

でも、そんなまっとうな理屈が通じる相手ではないから。
銀ちゃんへの想いが消えるものでもなかった。
ただ、信じる事ができない相手とは、一緒にはいられない。
捨てられない想いは確かにあって、それはもう愛ではなく、執着といったほうがいいもので。
だからヤスに”情”をうつす事も、できるんですね。それは嘘ではない。
…もう、”愛”というものは、信じてはいないけれど。
どれも本当で、でも、何も信じていない。
確かなのは、自分のおなかで育っていく、子供だけ。

そんな複雑な思いがこもった「私の子なんだから!」という台詞は、衝撃的と言っていい程で。ひどく印象に残っていたのです。
愛を諦め、でも全てを抱えて捨てられない小夏に、女って怖いなーと、思わされたんですね。この複雑さを、ユウコちゃんは本当によく演じていたと思います。まだ研7だったのに。

銀ちゃんの再演に一番の難関だったのは、たぶん小夏役だったと思います。銀ちゃんやヤスは、芝居のできる男役ならできると思いますが。
小夏は、”愛する”事と”情がうつる”事が同時に別々にできて、しかも大女優の華を持った娘役じゃないと。赤いワンピース姿で、ヤスの汚い部屋に座る違和感を出す、迫力が必要ですから。
”情”の部分の芝居ができる個性を持った娘役は、多くはありません。
しかも、他の条件を全て揃える事ができるのは、今の宝塚で遠野あすか嬢くらいしか思いつかないくらい。
すみ花ちゃんは、情の部分の芝居ができる役者ではありますが、なにしろ若い。
勿論、彼女は天才だから、嘘の無い感情で舞台で生きられるから、ぜんぜん普通に「小夏」として存在できました。
それは、初演のユウコちゃんの小夏とはまるで違った形で、光り輝く魅力を持った「小夏」でした。
今の宝塚で、彼女をおいて他にはできない荒業だったのではないかと思います。

でも、嘘のない感情で舞台で生きたからこそ、彼女の若さがでていたとも思いました。
すみ花ちゃんの「小夏」は、嘘をつかない、と思ったのです。
そして、”愛”と”情”は別のものではない…のではないかと思います。
彼女は、心からヤスを愛したのだと。銀ちゃんの事は、心の底からなんとも思わなくなったと、感じました。
…そして、嘘をつく必要は、なくなってしまった。
嘘をつかなければ、心の奥に隠した「本音」も無い。
だから、初演であれほど衝撃を受けた台詞も、普通の台詞となりました。
むしろ、その後に続く、ヤスの「てめえと銀ちゃんのガキなんざ、しるかよ!」という台詞を引き出す為の台詞になっていたと思います。
ヤスの為の、台詞に。

初演では、銀ちゃん・小夏・ヤスの三角関係は、銀ちゃんを頂点にしたものだったと思います。
けれど、小夏の心が銀ちゃんから完全に離れてヤスに向かう事で、再演花組版では、ヤスを頂点とした三角形に変化したのではないかと思うのです。
でもそうなると、青年館にきて銀ちゃんとヤスの関係が強くなってしまった後は、小夏は若干孤立気味になった気がしました。
そこが、この作品の面白くて、難しいところですよね。
銀ちゃんは主人公ではありませんが、やはり物語の流れの真ん中にいるのは銀ちゃんなので、小夏がヤスにだけ付属してしまうと、孤立してしまうのです。
ヤスだけしか愛さなくなった小夏は、もう銀ちゃんとは係わりがないのですから、彼の物語で語られる存在ではなくなるのです。
たとえば、クライマックスに三人が歌い継ぐ場面。小夏の後に銀ちゃんが歌う意味が、あまり無いように感じました。
「愛し合ってもいない俺達が」「眠れぬ夜を過ごす」相手が、小夏ではないかのようで。ここは受取り方次第ではありますが、初演では小夏の事を歌っているのだろうと思っていました。再演では、もはや小夏は遠い存在過ぎた気がしましたね。
ユウコちゃんが歌う時には、銀ちゃんとヤスの二人の男を思う気持ちが見えたから、その後に歌う銀ちゃんが小夏を思っているように見えたのかな、と思います。
銀ちゃんが小夏に依存していた事、ヤスと銀ちゃんが互いに依存しあっていた事は見えるのですが、小夏は銀ちゃんに依存も執着もしないんですね。

やっぱり、すみ花ちゃんが純粋だからでしょうね。
ヤスに対して「愛している」という台詞がある以上、ヤスだけを愛するのが当然だったのでしょう。
小夏について語る時「銀ちゃんからヤスに向かう心の動きをしっかり作らなければ…」と、何度も話していますし。
石田先生も、特に演技指導として言わない部分なのかな。
初演では、トップコンビだから当たり前だったので、ユウコちゃんが自主的に演じたものだったのかもしれません。
すみ花ちゃんは、心の底に銀ちゃんへの愛も残していて、心に二人の男を抱える…というのは考えなかったのじゃないかなと思います。
だから「女って怖い」なんて、微塵も感じる事はなかったのです。
ただひたすらに、いじらしい小夏でした。
そのいじらしさに、観客は自然に同情できるんですね。
素直に、たっぷり泣かされる事ができました。
すみ花ちゃんのそんな純粋さを、切なく美しいと…若干のノスタルジーをもって、だーだー泣きながら見てしまいまして。私も、すっかりおばさんなのだな~と、改めて思いましたよ(^^ゞおそらく、もはや一生子供を産む事は無理だと思うので、子供を持つ女性の気持ちは分からないですけど。やはり女性としては半人前な気がするので、こんなにだらだら戯言を書いても的外れかもしれないなぁ…。

銀ちゃんのような、変な男を愛してしまったばっかりに。
女優として落ち目になっていったのも、銀ちゃん振り回され過ぎて、女優として真ん中で輝くパワーを失ってしまったのではないかとも思えたんですよね。

でも、すみ花ちゃんはあまりにも純粋過ぎて。
実は。銀ちゃん、小夏と一緒に住んでいても手が出せなかったんじゃないか…という疑いも消えませんでした。
小夏があまりにも清らか過ぎて、子供ができるような事は、できなかったんじゃないかと^^;
そうしたら不安になった小夏は、またもや(?)想像妊娠してしまった。
慌てた銀ちゃんは、とりあえず一緒に住むのはやめて距離をおいたほうがいいかなーと思って、小夏をヤスの部屋に連れてきた…なんてね。
という事を、毎回こっそり思ってしまいました(^^ゞ
ごめんなさい~。でもすみ花ちゃんが、あまりにも純粋で綺麗で可愛いから(汗)
あ、でも。オオゾラ銀ちゃんも、すみ花ちゃんに負けはしなかったと思うのですよ。それについては、また~。
花組新人公演、一部配役発表されましたね。
反応が遅いですが、それはまあ、毎度の事で^^;

タムドク/ファヌン( 真飛 聖)    望海 風斗
キハ/カジン (桜乃 彩音)      野々 すみ花
ヨン・ホゲ (大空 祐飛)       鳳 真由
プルキル(大長老) (壮 一帆)    朝夏 まなと

なんだか、とっても新鮮な感じですね。
望海さんは、新人公演初主演ですよね。おめでとうございます。
まだ「銀ちゃん」モードが抜けない私にとっては、ジミーの晴れ姿!という気分でございますが(^^)
いやいや、美少年から離れて、だいもん本来の美形でしっかりした”大人の男”になるのですものね。前回の新公のイブラヒムお兄様も素敵でしたから、主演になると、どんなふうに真ん中に立つ事になるのか、とっても楽しみです。
それに、すみかちゃんのキハも。
彩音ちゃんのイメージ映像のキリリとした美女ぶり、すみ花ちゃんだとまた違った雰囲気になるでしょうね。ふんわりしたイメージが強いすみ花ちゃん、どんな美女になるのか楽しみだなー。

そして、今回は朝夏さんが壮さんの大長老…悪役!
やはり、悪は美形が演じるものだ、という事でしょうか?
最後の新公で、こういう今までと違う役ができるのは、すごく良い機会ですよね。
今まで何度も新公で主演をしてきた経験があるからこそ、できる芝居があるのではないでしょうか。
観客としても、非常に興味が沸く配役です。
ああ、なんとしても頑張って見なければ。

そして、ヨン・ホゲ役は、鳳 真由 ちゃん。
実は『Red Hot Sea』でのお気に入りさんだったので、ちょっと嬉しいです。
幽霊船の場面の爽やかさんが気にいったので、かなり追いかけて見ておりました。
エイトシャルマンの黄色のダルマも、がっつり見て…いや、あの場面は他にも色々見る人がいて、中々見られない部分もあり、大変でした。
「海が燃える」の場面では、悪者チームにいましたが、懸命に悪ぶっても、童顔なので可愛くて^^;

まっつもみつる君もまゆちゃんも、もちろんオオゾラさんも見て、すみ花ちゃんも一花ちゃんもきらりちゃんもゆまちゃんも見て、うっかりめおちゃんを見てしまうとあまりのキザっぷりに見とれてしまって。他にも見たい人が沢山だし、なるべく多くの方を覚えようとしてて。
本当に忙しいショーだったなぁ『Red Hot Sea』、いや本当に大変で楽しかった。
…と、東京公演が終わって一息ついた後。
CSを見て、初めて「鳳 真由」さんが、スカイフェアリーズだった事に気が付きました。
いや、ちゃんと見ていた筈なんですが、舞台と結びついてなかったんです^^;
友人達に、かなり驚かれました。

先日の花組全国ツアーでは、衛兵さんの鳳 真由ちゃんをしっかり見てきました。
とっても素直な、陽性のお芝居の人…という印象。
公演ポスターの、あの影のあるヨン・ホゲ役は、ちょっとイメージが繋がらない気もします。祐飛さんとは、全然かけ離れた芝居になる事は間違いないと思います。
でも、やっぱり新人公演は、本役さんとは全然違うほうが面白いですよね。
本公演も楽しみですが、新公も楽しみですねー。
パーソナルカレンダー、発売されましたね。
可愛いー。あまりの可愛いさに、びっくりです。
いったい、どうしちゃったんですか、オオゾラさん?
しかし、やはりファンが喜ぶ事をしっかり分かっていらっしゃいます。
さすがですね~。
舞台写真も、みんな良い写真ですね。なんだか懐かしい気持ちになります。
やはり大変な一年でした。
そして、毎年思うのですが。最後のミニカレンダー、ミニじゃなくて、この写真で作ってもらえないですかね?

さてさて、前回の続き、愛しい仲間達の思い出です(^.^)

・煌雅あさひ・・・橘の子分3/ダンサー/舎弟/村の男など
カッコ良かったですねー。爽やかで、キラキラしていて。
ほぼ、輝良まさと君と対の位置で踊っていたので、必要以上に小柄に見えてしまったのが、ちょっと気の毒でした。普通なら長身の部類なのに^^;
でも、シャープな輝良まさと君との対比がすごく良いかんじでした。
やっぱり、ダンサーで「男役」として踊る場面が印象的かな?
全員が通常の「男役」「娘役」とは少し違う芝居で、昭和日本のキャラクターを演じているこの作品の中。
それでも彼女が演じる「昭和の男」達は、キラキラして見えて、絶妙のバランスでこの作品の中に存在していた、なかなか興味深いキャラでした。
結婚式で、玉美ちゃんの手を引いて走る姿が男前で素敵だったんですけど、玉美ちゃんの旦那様=ヤスの兄の設定なんでしょうか?
長男は母親似でカッコ良くて、弟と妹は「ぶっさいく」なの?
フィナーレで挨拶をする時、着物の襟もとに、すっと手を滑らせる仕草がとっても粋で、素敵でした(^^)

・初輝よしや・・・橘の子分2/客の男/刺客/村の男など
この公演で退団のよしや君。もはやジェンヌさんではないのに今頃の感想で申し訳ないだけれど、書かせて下さい。
よしや君は「愛と死のアラビア」で、かなりお気に入りの”兵士”でした。勿論台詞も無く、ただ舞台で立っているだけなのですが、真ん中の芝居に対して、細かく表情を動かしている芝居が好きでした。
新公のスレイマン役で、やっと名前が判明。日向さんのような派手な芝居ではないけれど、静かな狂気のようなものを感じる芝居も、とっても気に入りました。
今後が楽しみな役者さんとしてチェックしていたのに、退団…寂しいなぁ。
今回の作品では、やはり一番目立つのは「スナック・ししとう」の客の男でしょうか(^^)
彼女と手を取り合い、じっと見つめ合う男女。それなのに、銀ちゃんに邪魔されるは、酔っ払いの女に迫られるは、挙句に彼女はあっさり他の男と去っていく。
かなり可哀想な役。最後に、キスを迫られながら必死で逃げる姿が、可愛かったですね。
橘の子分の「わてらの、事かいな」の台詞も大好きでした。
そして、実は人吉の盆踊りで踊る姿が、秘かにお気に入りでした(^^ゞ

・嶺乃一真・・・橘の子分1/客の男/刺客/村の男など
嶺乃君も、やはり目立つのは「スナック・ししとう」で、専務の女秘書・さあやちゃんに無理やり迫られる男ですよね。
うっかり見てしまうと目が離せなくなり、真ん中の芝居が見られなくなるという魔の場面。青年館の楽では、遂にさあやちゃんにキスされてしまったらしく、一人で苦しんでいる姿に大ウケしました。
でも、秘書のターゲットがよしや君に移ると、サッと身だしなみを整えて、可愛い彼女にアピールする姿が可愛くて、いつも見てしまっていました♪
橘の子分達の場面では、ドラマシティの前半では上手くないなーと思っていたのですが、後半はすごく良くなっていましたね。
なんだか不思議な愛嬌があって、憎めない、可愛いげのある役者さんですよね。
新公のトゥスンの印象が強いせいか、私的にはどーも末っ子愛されキャラのイメージがあるらしいです。可愛いくて、ついつい甘い目で見てしまいます(^^)

・望海風斗・・・ジミー/村の男
紅顔の美少年のジミー。なんだか、妙にオカマっぽい処はちょっと謎なんですが、やはり上手い。
子分達四人でいる場面が、よく練られているなーと思います。
皆さんでよく話し合い、しっかりお稽古されたのでしょうね。
ちゃんと四人で役割分担がされていて、みんなで芝居をしていると、それぞれのキャラが立つんですよね。
ジミーは末っ子キャラで、甘えっ子だけど、すごく周囲の人々を観察していて空気を見ている人ですね。
マコトのうっかり失言の度にあちゃーという顔をしていたり、年長者に可愛がられているようで、人間関係の上手い子なんだろうなーと。
一番好きなのは、もちろん焼肉屋。豆もやしを食べながら、ひっくひっくと啜り泣く絶妙の間。その声に気付いてだんだんと形相が変わっていく、銀ちゃんの芝居を引き出す大事な芝居です。
ヤスが走り去った後に大きく溜め息をついて、トメさんに頭をパシッと叩かれる…その溜め息の間もどんどん良くなって、大好きでした。

・雫花ちな・・・ダンサー/看護婦/ホステス/村の女など
退団されてしまった、ちなちゃん。今頃の感想でごめんなさいm(__)m
看護婦さんは、自然と患者さんの事を思いやる、看護婦さんらしさが上手く出ていましたね。「赤ちゃんの動きも見れるのよ」の台詞がどんどん温かみのある言い方になって、小夏に母になる喜びを思い起こさせる、説得力を増していったと思います。
小夏を呼びに来た時の「もう、どこに行っちゃったのかしら」の台詞が、あまりキツイ感じにならなかったのも好感が持てました。
でも、ホステスは凄い迫力。低ーい声を出して小夏に絡む、酔っ払いっぷりが素敵でした。あのお衣装、ほとんど初演と同じなんですね。なんだか嬉しいです。
フィナーレで、あの看護婦さんの格好で、ぴょんと跳ねるのが可愛くて大好きでした(^^)

・聖花まい・・・ダンサー/女医/ホステス/村の女など
女医さんは、無造作な白衣の着こなしが素敵でした。可愛らしい看護婦さんとの対比が良かったですね。いかにも医者らしくて。
小夏を診察する場面、色々と台詞の言い方を工夫して、毎回良くなっていたのが印象的。
ホステスは着物の姿が、またいかにもな感じで。「いちおくえんだよおーーー」の台詞の言い方が大好き。
「三人三様」の歌い継ぎの場面、女医さんで登場した後にすぐにスケバンになって出てくるのに、毎回びっくり。
スケバンと言えば、女子高生ですよ^^;役者ですよねー、確かに若くなってるんですもの。このスケバン役、2人ともとっても楽しそうですよね(^^)

プログラムの写真、後ろから2ページ目まで書きたかったけれど、挫折。
続きは、また。


今さらですが。まあ、いいや。
次の作品を見るまで、のんびりと書き続けるつもりの「銀ちゃんの恋」。
忘れないうちに、プログラムを見て復習と記録を書き留めておきます。
「花組版・銀ちゃんの恋」を構成する、愛しい仲間達について。
あくまで、初心者花組ファンの個人的な感想ですが、最初の印象を書いておくと後から面白いかもということで。
下級生から、書いていきましょう。役名は、私的に目立った順に記入してます。

・桜帆ゆかり・菜那くらら・・・芸者/女中/スナックの客の女/村の女など
再下級生の娘役二人、常に二人で同じ役なので、二人の見分けがつかないまま、公演が終わってしまいました。
唯一違う事をしているのは「スナックししとう」で、よしや君と手を取り合い見つめ合う客の女ですが、あれは菜那くららちゃんのほうかな?
階段落ちの前にスポンサー様と記念写真の時、肩を抱かれる二人が、とーってもイヤそうな顔をしているのが可愛くて、大好きでした。

・月野姫花・・・玉美/カフェの女給
可愛い可愛い美少女で、アニメキャラ並のプロポーションの姫花ちゃんが、あの「玉美!」というのが、ひとつの話題でしたね。
最初は、方言の台詞がどうにもならないようでしたが^^;青年館に来る頃には、なんとか「会話」になっていました。メンバーに九州出身者がいて良かった。
初演の半分くらいの台詞量になってましたが、ちゃんとキャラクターの役割を果たしていたので、じゅうぶんでしょう。
気になったのは、ヤスの結婚式で、煌雅あさひ君と手をつないでいましたが、彼が旦那?って事は、ヤスの兄????
邦さんとしっかり会話する役どころは、本当に勉強になったのではないでしょうか。次の舞台に繋がるんじゃないかと、期待しちゃいます。

・鞠花ゆめ・・・焼肉屋の女店主/ダンサー/カフェの女給/村の女など
なんといっても、焼肉屋のおばちゃんの「はいはい、どーぞ!」が印象的でした。
場面転換の切っ掛けとなる、大事な「はいはい、どーぞ!」ですから。これが、非常に上手かった!ドラマシティの最初に見た時は、上手いけどイマイチ…と思った回もあったのですが、青年館ではいつもとても良い間でした。
最後の挨拶の時、あまりに下級生位置にいるのでビックリ。若いのに上手いなぁ。あのおばちゃんの格好で踊る姿が可愛いかったです。

・真瀬はるか・・・殺陣師/TVスタッフ/ヤスのダミー/村の男など
いやー、本当に上手い人ですね。学年の割に信じられない程上手い…という噂は聞いていましたが、なるほど。あの学年で、ちゃんと男役の芝居ができるだけでも凄いのに。殺陣師なんか、本当に学年を超越してますよね。
ヤスに段取りを無視された後、トメさんやマコトに文句を言って、二人がペコペコ頭を下げているのが、実に自然な説得力がある。
TVスタッフで、めおちゃんと掛け合いのコント(?)をやるのも、とても間が良くて、笑わせて貰いました。やり過ぎで浮いたりしないのも、良いです。
しかも、ヤスのダミーでは、背中で哀愁を語っていますよ!…すごいな。
そして、ただ上手いだけでなく「色気」のある役者さん、なんですね。エロいとか、セクシーとかいうのではなく、色香という方向で。
彼女の独自の「色」を持っていて、それが「色気」に繋がっている感じ。ゆうひファンに好かれるタイプだと思います(^^)

・輝良まさと・・・橘の子分4/ダンサー/舎弟/村の男など
カッコ良かった!本当に、カッコ良かったです。この作品中で唯一の「男役」が存在する場面が、小夏のキャバレーダンサーの場面です。
煌雅あさひ君と二人で「男役」で踊っているのが、鮮烈な印象。
まず、その「男役」ぶりの格好良さに、トキメキます。あ、これは「タカラヅカの作品だったんだな」と、確認してしまう(^^ゞ
人吉の盆踊りで、太鼓を叩いている姿も素敵です。がーーっと足を開いて、踏ん張って立っているのが、ちょー男前♪かっこよくて、目が離せませんでした。
ふつーに「男の人」の格好良さ。
舎弟役で、気前よく膝下をナマ足を出してくれても、男前な足でした(オオゾラさんも男前な足でしたけどね^^;)。
橘の子分として、ちゃんとした台詞があったのは「5人と言わず…」のくだりのみ、かな?上手かったし、可愛かったですよね。

・瞳ゆゆ・・・島子/ダンサー/村の女など
撮影所に差し入れを持ってきた小夏との会話の、温かみのある台詞が印象的でした。
階段落ちの場面で、めおちゃんと心配そうに見守っている姿も、情が感じられて好きでした。
ダンサーで踊っている時のハイテンションな感じも、すごく可愛いです。
あんなに可愛いのに、撮影所ではなんともおばちゃんぽい服装で、可愛いお顔とのギャップが面白い。

・梅咲衣舞・・・徳子/小夏の付き人/ホステス/スケバン/村の女など
変幻自在な、すごーーく上手い役者さんだったのですね。知らなかった。アラビアの時、もっとちゃんと見ておけばよかった。
可愛い娘役さんのイメージだったので、徳子さんはプログラムを見るまで分からなかったし、見ても納得できなかった(^^ゞ
あの、おばちゃんっぽい服装、髪、仕草、しゃべり方。…わかんないよ!
付き人やホステスは、ふつーに可愛いから、すぐ分かったけどさ。
スケバンも気づいた時はビックリだったし、ヤスのアパートの宅急便を知らせてくれる声まで、やっていたとは。
どの場面もみんな声が違うし、れみちゃんと良く似た可愛い細おもての顔立ちも分かりやすい筈なのに、立つ姿勢もかなり違ってるせいか、同じ人の姿には見えにくい。小夏との会話の場面、徳子さんも、情のある芝居をしてくれて良かったです。次の作品で見るのが楽しみになりました。

…とりあえず、プログラムの後ろ1ページを書いたところで、また。

いろいろ発表

2008年11月21日 宝塚
今日はボージョレー・ヌーボーの解禁日。
…と、仕事帰りに知りまして、ついつい購入して帰りました。
貧乏人なので、円高還元セールの安いヤツ。普通に売っているのはだいたい3,000円程度だったのに、これだけ980円!
ちょっと心配だったけど、フルーティな甘口でなかなか美味しかった♪

それはともかく、色々発表されましたね。
全国ツアー『哀しみのコルドバ』と『Red Hot Sea II』ですか~。
コルドバは、ちゃんと見た事はないんですが、先日CS放送されたの終わりの30分くらいだけ見ました。
…兄妹だけど、今回はヒロインは知らないままだから…えーと…新しいパターン?ちょっとだけ、斬新さを狙ってみた?
「お兄ちゃん」と呼ぶ台詞だけは、観客は聞かされずに済むワケですな。しかし、よくもまあ、これだけ続いて兄妹で(*_*)
でも、今度は悲恋ものの王道パターンの兄妹ですから、今までとは大違いですね。これで成仏して(?)打ち止めにしてもらえるといいなー。
オオゾラさんは、恋敵にあたる役ですかね。私が見た後半では、決闘しようとして中断された処くらいで、あまり印象に残ってない^^;
ともかく、ヤンさんのエリオが素敵だった!…というのだけが印象的で。
途中から見て物語がよく分からなくても、引き込まれて最後まで見てしまいました。真飛さんのエリオも楽しみですね(^.^)

そして、『Red Hot Sea II』の「II」の部分が気になります。
お衣装はともかく(^^;)、構成は無駄の無い勢いのあるショーだった…と思うのは、既に終わったから美化された思い出なのでしょうか。
変更して欲しいのはお魚お衣装であって…いや、まあ壮さんが抜けるのだし、変更は必要なのかな?
しかしこの作品の場合、絶対に変更ができないのは、幽霊船の歌手の三人ですね。セリも盆も必要無いし、その他は割とツアー向きな作品かも。
ともかく。また「ひき潮」の場面を見られるのは、嬉しい事です♪
もうみほちゃんがいないのは寂しいですが、乙女はどなたが踊って下さるのかな~。発表が待ち遠しいです。

そして、壮さんの主演バウは『オグリ! ~小栗判官物語より~』。
私は、近藤ようこ氏のまんが「説経小栗判官 」(ちくま文庫) が大好きなので、すごーく興味があります。
最初にこの本を読んだ時の衝撃は、ちょっと忘れらません。
今の日本人が持っている「常識」とか、西洋的な「理屈」とかをぶっ飛ばした処にある、人間の情に打ちのめされた思いがしました。
「物語」の持つパワーというものを、思い知らされたのです。
理屈では説明できないんですけれども、ともかくすごい、と思ったんですね。
主人公の小栗は我儘ですごく嫌なヤツで、常識的には納得できないお話ですが、それが日本人の「情」で納得できてしまうんですよね。
壮さんだったら、小栗の豪快な力強さを、骨太な演技で見せてくれそう。あの理屈を超えた魅力を素敵に見せてくれそうで、ワクワクします。
ヒロインの照手姫は、芯の強い魅力的な女性です。まんが版では、中盤以降の主役でもあります。
誰がヒロインなんだろう?すごく楽しみです。
歌舞伎などのお話は知らないのですが、この二人以外には、あまり大きな役が無い気がしますが、どうなるのかな?
…しかし、とっても心配なのが、演出家の変な主義主張が入るんじゃないかということですね~。
どうか、どうか、良い作品になる事を祈っております。

月組は、「エリザベート」。
満を持しての、瀬奈じゅんトート!
さぞや格好良い、素敵なトート閣下となられる事でしょうね(^^)
私はアサコさんのエリザベートは大好きでしたし、本当に良い演技だったと思っておりますが。でも「男役・瀬奈じゅん」のファンの方には、その後トート閣下役も演じられるのは、嬉しい事かと思います。
また雪組版でトートの位置付けを変えた小池先生が、今度はどのような新解釈で演出されるのかも楽しみなところです。
その他のキャストについては、主演娘役のいない現在の月組で、どのような形で上演される事になるのか予想しにくいところですが。
中堅どころについては、重臣と親戚のおじさまや客の貴族…あたりになるのかな?前のエリザとあんまり変わらない感じがするのは、ちょっとツライ。
でも、新公は、みりおトート?…見たい!
エリザは、しずくちゃん?らんちゃん?りおんちゃん?
いや、りおんちゃんは、ゾフィーでしっかり歌ってくれるのかな?
…ともかく、新人公演メンバーはすごく楽しみです(^^)

月組版の「銀ちゃんの恋」を何度か見ています。
以前は、辛くて痛くて、見る事ができなかった作品なのに。
花組版の舞台を、何度も見てしまったせいでしょうか。
それぞれの場面や台詞が体に染みついてしまっていますから、平気になったのでしょうね。

しかし、花組版の舞台で、ドラマシティから青年館の楽までの、大きな変化を体感した者としましては。
この月組版のビデオも、この後に大きく芝居が変わっていった事だろうなーと。
初演の青年館公演の、千秋楽の舞台が見たかったなーなんて、今更ながら悔しく思います(^^ゞ
初演当時も、青年館では芝居が更に深くなって、発売されたバウのビデオは物足りないと聞きましたし。当時は勿論CSなど無かったので、販売ビデオの映像しか残っていないのが残念ですよね。青年館楽の映像が残る今は、本当に有難いです。
それでも。
私にとっては、このビデオに残された映像が月組版「銀ちゃんの恋」です。
この映像で、がーーがーー泣いて、忘れられない程に心に残っているものです。
痛くて辛くて…怖くて。10年間、見なおす事もできなかったのに、自分でも驚く程に鮮明に覚えていました。
完成されたものではないとはいえ、十分すぎる程に力のある舞台映像です。
ですからやはり、このビデオを参考にして、花組版を考えてみたいと思います。

月組版を見て改めて思うのは、今回の花組メンバーは本当によく頑張ってこの舞台を作り上げたんだな、という事です。
初演は、やはり「芝居の月組」の作品です。
主演の久世さんは、今でもこの二十年くらいのなかでは”芝居巧者”として、まず名前をあげられる中のお一人です。
改めて見て、やはりこの方の芝居は良いなーと思います。芝居って、こういうものだよな…という爽快感があるんですよね。
そして、他のメンバーも豪華です。
監督の真山葉留さんに、トメさんの美郷さんは、私にとって月組の二大スーパースターです。このお二人の芝居こそ、月組の芝居というイメージなんです。
この時代の月組特有の、リアルな、動きを極端に抑えた芝居。もはや、今の月組には残っていないものなので、本当に懐かしいですね。
久しぶりに見ると、自然に体に馴染みます。
月組らしい、心情の動きを基本とした芝居。作って見せるのではなく、その人物として、舞台の上でその瞬間を実際に生きる事を理想とした、芝居。
表情は、思った事が自然と顔に出てしまったもの。日常で普通の人間が会話しているような、台詞と仕草等。

勿論、舞台で観客に見せるものですから、細かくしっかりと計算されたものです。
自然に見せる為に、舞台でできるギリギリの処まで、抑えた芝居。
るんぱさんの”監督”は、激昂している場面でも、特にオーバーアクションな芝居はしませんが、すごーく印象的です。
それは他の出演者の皆さんも同じですね。皆さん、そのへんにいるような、リアリティのある人物達です。

そして、今回の花組版。
出演者が発表された時に、今の花組の芝居のできるメンバーが集められたようだ…と、花組ファンの皆さんには語られていました。
確かに、悠真 倫さん、日向 燦さんのお二人共に出ていただけるというのに、ビックリしました。でも、監督とトメさんは要の役ですからね。初演で真山さんと美郷さんの演じた役ですから、やはりこのお二人でなければ。
上級生から下級生まで、これだけの「役者」が揃うのは、今の宝塚では貴重な事なのかもしれません。
「花組版」と「月組版」、芝居の方向性はまるで違いますが、やはりとても良い芝居だったと思います。

改めて見て、この作品を語る時「久世版」と「大空版」ではなく、「月組版」と「花組版」と呼ぶのが相応しいなーと思うんです。
それが月組ファンとして、大空ファンとして、すごく嬉しい事でした。
主演者だけでなく、出演者皆さんの色で織りなれた、芝居である事が。
花組の大空祐飛さんが、花組の皆さんの色を活かした芝居を、皆さんと共に作り上げた事。
おそらく、組替前に「月組の大空さん」が演じたとしたら、「銀ちゃん」のキャラクターは全然違うものになっていたのではないか…と、思うのです。
この座組みだからこそ、あの表情豊かな「銀ちゃん」のキャラクターができたのだと思います。

特にそう感じるのが、子分達との場面です。
焼き肉屋で、俯いて豆もやしを食べるトメさんとマコトや、しくしくと泣き声をもらすジミーを横目で見て、次第に形相を変えていく銀ちゃん。
初めてこの場面を見た時、私は本当にビックリしました。
あのオオゾラさんが、こんなオーバーアクションに、派手な表情を作って見せるなんて。
でもトメさんとマコトとジミーの三人との掛け合いの芝居を上手く作って、すごく楽しい場面に仕上げられていました。
オープニングの殺陣の橘を抑え付ける場面や、任侠の場面のトメさんを追い払う仕草など。花組の皆さんと掛け合いの芝居を作る場面では、新しい「花組の大空祐飛」を感じました。勿論、今まで長く月組で培ってきた「大空祐飛」はそのままで、また新しい事を学んで。
オオゾラさんって、こんなにも柔軟性のある役者さんだったんだなーと、今更ながら感心しましたね。
ナウオン・ステージの座談会では「今の私はコラボレーションみたいなものかな」と、仰られていまいたが。花組の皆さんも、月組から来た大空さんの芝居を柔軟に受け入れて、皆さんで新しい芝居世界を作って下さって嬉しかったです。

今回の「花組版・銀ちゃんの恋」は、石田先生によって「依存と束縛」というテーマが掲げられています。
花組さんの、アクションを作って見せていく芝居は、テーマをくっきりと浮き上がらせる方向に、とても良くあっていると思います。
花組の芝居は大きくアクションを作る事で、必要な部分をはっきりと見せる芝居ですよね。ちょっとデフォルメされたキャラクター達が、「いかにも」な感じで。
月組の芝居とはまた違ったリアリティで、登場人物のキャラクターを表現されていたと思います。
まりんさんの監督は、るんぱさんの監督はまた違った意味で「あんなおじさん、そのへんにも居そう」と思わせて下さいました。他の皆さんも、見ていてとても身近な人物に感じられるような気がしました。

このメンバーと出会えたからこその、大空「銀ちゃん」。
このメンバーだからこそできた、「花組版・銀ちゃんの恋」。
この素敵な出会いに、感謝しています。
昨年の12月、組替が発表された時のショックは、今では懐かしい思い出となりました。私達ファンは、幸せ者ですね(^^)

時の流れに

2008年11月17日 宝塚
雪組東京公演『ソロモンの指輪』『マリポーサの花』、千秋楽おめでとうございます。
私は二回見たのですが、お芝居もショーも、ぎっちりと見どころ満載の公演で。
なんだか、全然ちゃんと見る事ができませんでした。
特にショーは、ひろみちゃんを見てしまうとさっぱり全体が見られない…と、作品についてまったく分からない^^;
とても感想がまとまりきれず、何かを書く事はできそうにありません。
たど、とても美しい公演だったと思います。色々な意味で。
良い公演でしたね。夢のような3時間を過ごさせていただきました。


昔、雑誌で篠山紀信さんが音楽学校の生徒さんを撮影する、という企画がありまして。
本科だった85期の皆さん一人ずつの写真の写真がありました。
その中で一番「顔が好きだ」と思って覚えていた、柊巴さんも今日で御卒業ですね。山科愛ちゃんも…。
「ノバ・ボサ・ノバ」で、月組でもエイティーファイブロケットをやってくれた85期には、思い入れがあるので、寂しいです。
皆さまのお幸せを祈っております。

その雑誌で、紀信さん撮影の「宝塚音楽学校の看板を持つ少女」の写真がとても印象的で。
初舞台の時からずっと、あの少女・理世ちゃんを気にかけておりました。
その望月理世ちゃんも、「大王四神記」にて退団との事。
花組さんは各公演1度見る程度でしたが、結構下級生の頃から目立つ使われ方をしていたので、だいたい一度は見付けていたと思います。
花組さんの舞台でちゃんと見分けられる、数少ない生徒さんでした。
アラビアの時には、すごく綺麗になったなーと思っていたのですが…寂しいです。
最後の公演、どうぞ思いっきり楽しんで下さいね。

それにしても、あれから10年なんですね^^;
早いなー。
まさか、あの雑誌を見た時には、10年後に花組で大空さんが銀ちゃんを、みつる君がヤスをやるなんて…想像もできませんでしたねー。
そしてこの85期の二人、みつる君とひろみちゃんに、私がこんなにもメロメロになろうとは。
みつる君に関しては、一年前にはまるっきり想像できない事でしたしね。
CSなどを見て、なんとなく以前から良いイメージを持っていたような気がしますが。「Red Hot Sea」で、一気に好きになってしまったのです。
特に好きだったのが「幽霊船」の場面。
それまで熱いイメージだったみつる君が、ふっと肩の力を抜いて、粋でクールに踊っているのが素敵でした。
笑っていても、どこか寂しげな目をしていて。
私は寂しい目をした人に、弱いのです。オオゾラさんとかね(^^)
だから、みつる君がヤスに決まった時は、すごーく嬉しくて。
ヤスのお芝居も、すごく良かったので、幸せでした。


そういえば、花組「大王四神記」の配役が発表されましたが…ドラマを見てないので、配役を見てもなんだかよくわかりません^^;
わかるのは、壮一帆さんの「大長老」が、悪役だということ。
ドラマ版のダブルヒロインとなるスジニ役が、愛音さんという事。
順番どおりではありますが、なかなか興味深い配役です。

交じりっけの無い悪役というのは、役者さんにとっても、見る者にとっても、とても面白いものだと思います。
何をしてもいい、やりたい放題ですから、きっと遣り甲斐があるものだろうなーと思うんです。
意外にオオゾラさんは、やってないんですよね。月組三番手になった時、すごく期待してたんですが、ずっと主役のお友達役でしたし。
強いていえばペペルですが…もっともっと悪い人も見てみたい。いや、それはともかく。
壮さんの「大長老」、どうやら影の黒幕、一番悪い人のようですね。すごく楽しみです(^.^)

そして、みわっちさんの女役は本当に素敵ですものね。
情があって、懐の深い、女の温かみがあって。もちろん、すごく美しくて。
オスカル様が非常に良かったのですが、脚本的に物足りない使われ方だったので、今度は…と期待してしまいます。
一本ものなのに、男役姿が見られないのは非常に勿体無い事だとは思いますが、そこまでするからには、ぜひとも素敵な役でお願いします。
ほかの役は、よくわからないのですが、皆さんに遣り甲斐のある役が与えられるように祈っております。
花組の皆さんが作る、華麗な世界。お正月を楽しみに待っております。
パーソナルカレンダーの表紙の画像、でましたね。
ちょっと前に、小さな画像が見られるようになった時には
「へー、今年は普通な感じ」と思ったんですよね。
去年は作りこんだ表紙で、すごく印象的でしたから。
さすがに今年はあれほどのインパクトのあるものは作れなかったのね…と、思っていたのですが。

ちゃんとしたサイズで見てみると。
きっちりとベッドメイキングされた、あれは、ホテルのベッドだったんだ…。
変な電話、と思っていたのは、フロントに通じる枕元に置いてある電話なのね。
コードが無いような気がするけど、まあいいとして^^;

…えげつないなぁ。
どうすればファンを釣れるか、本当に、よーーーく分かってる人だよね。
あのポーズに、あの表情ね。ええ、ドキっとしましたよ。
さすがだなー。腕や鎖骨のチラ見せ具合も、厳密な計算のうえだよね。

昔の初ディナーショー「Selfish」のポスターを、思い出させたりするのも、きっと計算よね。
あの時は白いシャツだったのを、今回はグレーに変えて。
大人になったオオゾラさんをアピール。
だから、白いシャツの袖の位置を調節する為の「輪ゴム」がちょこっと見えてたりしたのも、今回はきっと大丈夫だよね(^^)

中の他の写真はどうなのか、発売日が楽しみです♪
オオゾラさんの企画ものの写真は、いつも「物語」を感じさせてくれるのが、私にとっての魅力です。
ファンになった時に思ったのが「立ってるだけでドラマのある人だ」という事でした。あれから10年以上が過ぎて、そのドラマは研ぎ澄まされて。
今度は、どんな物語を見せて下さるでしょうか?
ぼんやりしているうちに、月組公演、始まりましたね。
今さら「初日おめでとうございます」も遅いけど、どうやらとても好評のご様子。
私は東京まで見る事はできませんが、楽しみです。
先日、横浜美術館で開催された『源氏物語の1000年 −あこがれの王朝ロマン−』を見に行ってから、私のなかでは、ちょっとした源氏物語ブーム。
ちゃんと読んだ事はないのですが^^;
「あさきゆめみし」も読んでなくて、宝塚の舞台でしか「源氏物語」を知らない私としては、新しい「源氏」の世界をわくわくしながら待ちたいと思います。
月組の皆さま、どうぞお体にお気をつけて、頑張って下さいね。

さてさて、話は変わりまして。
初演の月組版「銀ちゃんの恋」と、つかさんとの座談会を見て、作品のデータが揃いました。
これらのデータを参考にしつつ、少しずつ考えをまとめていきたいと思います。
私は考えるのに時間のかかる人間なので、作品の感想が纏るのはいつも公演が終わって二週間程たってから。そして、考えが纏ると急速に忘れていきます。
なんとか、忘れる前に書留められるといいのですが…。

まず、この作品のキャラクター達は、思っている事をそのまま口にする事って、少ないですよね。
銀ちゃんは、始終憎まれ口か自慢か。
セリフのほとんどが、本当に言いたい事じゃない。
ヤスのアパートに小夏を連れて来る場面なんか、特にそうですよね。
「ヤスだと俺が安心なんだよ」「俺、この先一人ぼっちで不安なんだよ」
本当に言いたい事は、この二つだけじゃないかな。
でも、ヤスと小夏の二人はこの言葉だけで、銀ちゃんの抱える寂しさも、愛も、理解してしまうんですね。
だから無茶な結婚も受け入れるし、一幕最後の銀ちゃんの告白によって、それぞれの心は揺らぐ。
本心を誤魔化すセリフをまくしたてながら、銀ちゃんは二人が理解してくれる事を知っていて、二人に甘えて。どんどん暴言が激しくなる。
意地を張らずに、素直に「頼れるのはヤスだけだ」「お願いだから、ずっと傍にいて欲しい」と、言ってしまえばいいのに。
でもねー、そんな銀ちゃんが、本当に愛しいんですよね。
誤魔化すのは、本当はとっても強く愛を求める人だから。
人間、あんなふうに真正面から「愛して欲しい、分かって欲しい」と迫られると、なかなか逆らえないものだなーと妙に感心してしまう、オオゾラ銀ちゃんでした。

ヤスは、比較的本心からのセリフが多いけど、肝心の事は言わない人ですね。
「階段落ち、やるよ」「どうして殴ってくれないんですか?」と口にするけれど、何故その言葉が出てくるのか?
一番大事な言葉は、呑み込んだままです。
そんなヤスは、二幕の夫婦喧嘩の場面で、多くの言葉を爆発させます。
でもこのお話の面白いところは、ヤスは階段落ちの場面でもう一度見せ場があり、まだ言えない言葉があったとわかる事ですね。
ヤスの真ん中には銀ちゃんがいて、銀ちゃんとの係わりの中にこそ、ヤスの望みがあるのです。

宇宙人・朋子さんだって、思ったとおりの事なんて言いません。
小夏お姉さまの話を聞く態度から、かなりムカついているのに、言葉はあくまでも可愛らしく。
そういうふうに言えば、銀ちゃんが小夏を帰す事がわかっていて「じゃあ、お姉さまもご一緒に〜」なんて言うんですよね。
ひゃー、女って怖い^^;と、毎回思っていました。
多分、銀ちゃんが小夏に会わせたりしなければ、朋子さんはすぐに銀ちゃんと別れていたんじゃないかな?

そして、小夏。
小夏は、本当に、何を考えているのかわからない。
わからないけれども、あれだけ銀ちゃんに振り回されるからには、余程彼を愛しているのだろうと思う。
意に染まない結婚などしなくても、田舎に帰って子供を産めばいいのに。
「私生児」の社会的ハンデが大きかった時代、子供の為の選択とはいってもねー。
やっぱり納得できるものではないですよ、他の男に、というのは。

初演の月組版のビデオを見た時、一番印象深かったのが、小夏でした。
再演版を見ていて、なんとなく違和感があった部分、初演の映像を見ていて気付きました。
銀ちゃんに部屋のカギを返した後の小夏。ヤスの部屋に帰って彼の優しさにほだされて。プロポーズの言葉に「お受けしました」と、頭を下げる場面。
ここは初演では、もの凄く痛い場面だったんですね。
この時点では、三人の間で「形式だけの結婚」というのが、暗黙の了解。
小夏は、愛する男と子供の為に、一人の男の人生を犠牲にしようとしている。
…その自覚があって、それでも。
その優しさに甘えて「お願いします」と、頭を下げる。
償いきれない大きな犠牲に、ただ頭を下げるしかない。
女の複雑さが、そして「犠牲」として扱われるヤスの男心が、痛い場面。

二幕冒頭「だけど、幸せ」と歌う場面も、異常な状況の中のちょっとハイな状態なんですね。
心の奥底で銀ちゃんへの気持ちが残っている事を自覚しながら、ヤスの優しさに包まれて。半分自分に言い聞かせるように、幸せを歌う。
実は、銀ちゃんと同じくらい、小夏も思っている事とは反対の事ばかり言ってるんですね。
…初演では。

何しろ、トップコンビが演じた銀ちゃんと小夏でしたから。
小夏・風花舞はあくまでも、銀ちゃん・久世星佳の相手役。
ヤスに対して「愛している」と言うセリフがあっても、銀ちゃんへの愛はずっと持っているのです。
演じるほうも、見るほうも、それは暗黙の了解だったと思います。
この作品のラストが、「映画の撮影でした〜」でウヤムヤに終わるのも、トップ「コンビ」をたてる為の演出でした。
例え本公演じゃなくても、娘役トップさんが男役トップさんと別れて、男役四番手と結ばれる…なんて、有り得ないのがタカラヅカ。
あのラストは、初演では「なるほど〜」と言って、ホッとするような終わり方だった印象があります。
今回、終わり方の意味が分からない、という意見を見て驚きました。
結末をウヤムヤにする必要がなくなった再演版では、単に謎の終わり方になるんですね^^;
やはり相手役が固定されている“トップコンビ”というのは、特別なものなんだなーと、改めて思いましたね。
でもそれは、小夏の心を見せない為の、ラストシーン。
だから演じるユウコちゃんは、本当に難しくて大変だったと思います。

そして、”コンビ”の呪縛から解き放たれた花組版・小夏のすみ花ちゃんは、またそれはそれで大変だったようですが。
初演とは反対の選択をしたように思いました。
その選択は「小夏は、ヤスを選んだ」という事。
人吉の夜の選択から、心の奥の銀ちゃんへの愛は、思い出に変わってしまう。
小夏は、思っているとおりの言葉を口にする女性となったのだなーと感じたのです。
最初から、最後まで全てのセリフにおいて。

うーん、なるほど。
まあ、そういう解釈も有り、ですよね。
今回の花組版は、公式ページの「主な配役」で、大空祐飛 倉丘銀四郎、のところで表が区切ってあるんですよね。
通常は相手役まで書かれてから区切られる処だと思うのですが。
まあ、相手役不在の現在の月組の「主な配役」と同じ区切りです。気の合う同期^^;?
つまり、公式にも、小夏は銀ちゃんの相手役ではないのですから。
すみ花ちゃんがヤスのみつる君の相手役になる選択をしても、おかしくないワケです。
この選択により、この三人の関係性は初演とはまったく違うものになりました。
…それについては、いずれ、また。
「銀ちゃんの恋」終わってから、ぼーっとしてしまっております。
あまりに興奮した日々を送って、反動なのでしょうね。
ぼんやりと、楽しかった公演の日々を思い出しております。
もう次の作品の制作発表もあり、今さら…なんですが。

千秋楽が終わった時は、不思議に清々しい気分になり、穏やかにこの公演とお別れできたと思ったのです。
でも、さみしいものは、やっぱりさみしいですね。

楽の日は二回見ました。
昼公演は今までで最も熱い、ハイテンションで心を揺さぶられるような舞台で。
見ていて、ギュッと胸を掴まれたように痛くて。
誰の、何処のセリフで…というのでは無く、気が付いたら泣いていました。

楽の公演が始まる前は、本当に寂しくなってしまって。
友人に「始まっちゃちゃうよ〜終わっちゃうよ〜」と泣き付いていました。
でも、終わってみたら。
満たされて、とても幸せな気持ちでした。
そして、心静かに、この公演とお別れした気持ちになりました。
それなのに。翌日から、仕事をしながら、色々な場目が目の前にうかんできます。

そういえば、「THE LAST PARTY」も同じだったような気がします。
昼公演はすごく熱い公演で、スコットの心の叫びが、ガシガシ胸に響いて、沢山泣いて。
でも、楽の公演は、セリフの一言一言を噛みしめるように。
過ぎていく一つ一つの場面との、舞台の上に紡ぎだされる“その時”との、別れを惜しむように。
静かに、でも細心の注意を払って、演じているように見えした。
今までの公演で積み重ねてきたものをすべて見せるような、この作品の集大成に相応しい千秋楽だったと思います。
そして、この「銀ちゃんの恋」千秋楽も、集大成であり、一番新しい「銀ちゃんの恋」でした。

青年館の「銀ちゃんの恋」は、変わり続ける作品でした。
毎日一回見た期間があったのですが、毎日違う芝居でビックリしていました。
銀ちゃんも、ヤスも、小夏も、そして他の皆さんも。
オオゾラさんは最近キャラクター造形が安定してきて、公演の途中での変化は以前に比べてあまり大きくなくなってきたと思っていたのですが、今回は違いました。

青年館の初期の頃は、二幕後半のヤスや橘に対する態度がどんどん強くなっていき。
「こんなにリアルに“男”を演じているオオゾラさんを、初めて見るなー」と、思っていたのです。
しかし、翌日には。
銀ちゃんの子供な部分がどんどん強く出てきて。
一幕最後の場面から、「あどけない」とか、「いとけない」と言ってもいいくらいの幼い表情のまま、小夏に訴えかける。
ヤスと小夏を失う事が怖くて震えているような、その必死さが男の弱さ可愛いさとなって、愛しくて。
子供がそのまま大きくなった…という部分が、膨らんでいく公演が続いた気がしていました。
で、最後の二日?くらいで、強い”男”の部分が戻ってきて、“子供“の部分と融合したように思います。
あどけない子供のまま、ヤスと小夏を失う事に怯えながら、それでも強い意志でヤスの思いを尊重しようとする。
すべての思いを飲み込んだまま、黙ってヤスに向かい合い、その広い背中で”男”の道を示す姿が、本当にかっこいい銀ちゃん。
…と、変わっていったように、私は感じました。

小夏は、まあ。すみ花ちゃんは天才なので、その時の感情で舞台の上で自然に生きられる人ですから。
毎回毎回、動いた感情が違うのも当然なんですが。
でも、どんどん気持ちが深くなって、銀ちゃんとヤスに対する想いが、どちらもどんどん強くなったように思いました。
その想いが強くなる程、すみ花ちゃんが本来持っている純粋さ、透明感が出てくるんですよね。
この透き通った光のような小夏を、どんな事をしてでも田舎に帰してしまうなんてできない、手元に置いて見ていたいと思う銀ちゃんの気持ちがよくわかります。
小夏役がすみ花ちゃんじゃなかったら、ゆうひ銀ちゃんは少し違うキャラクターになっていたんじゃないかな?

そして、ヤスのみつる君。
本当に、毎回見るたびにどんどん、どんどん、良くなって。
ものすごいスピードで成長する姿をナマで見る事ができて、宝塚ファンとして、とても幸せでした。
一時も目が離せない程に、想いは深くなり、葛藤は強くなる。
私はずっと”ヤス”に感情移入して、彼に同調して、かっこいい銀ちゃんを見ていたように思います。
真っ直ぐで強い想いの力に引き込まれていくのは、とても心地よいものでした。

特に二幕、階段落ちの前の場面のヤスと銀ちゃんが好きでした。
撮影所に入って来たヤスが横暴に振る舞う姿に、銀ちゃんはヤスが自分だけを呼んでいる事を感じ取っているという、言葉がなくても通じあう二人の姿が切なくて。
ヤスが暴れる声を聞きながら、黙って切っ掛けを待つ銀ちゃん。
待たれている事を知っていて、必死で銀ちゃんを呼ぶヤス。
ヤスが「煙草に火を」と持ち出した時、ちょっとした視線の動きで、「これが切っ掛けだ」と悟った事を見せる、オオゾラさんの芝居が大好きでした。
銀ちゃんが気づいて来てくれた事が嬉しくて、切ない顔で銀ちゃんを待つ、みつる君の芝居も大好き。
煙草に火を付ける時、わずかに触れる指先に、二人が抱える様々な葛藤が感じられる場面。
千秋楽はこの場面が本当に良くて、切なくて。
舞台にいて二人を見守る、大勢の人達の作る緊迫感、それがこの二人の芝居に集中していくパワーも凄かった…と思います。
この場面からクライマックスの階段落ちまで、一人もブレる事無く、出演者の皆さんで緊迫したドラマを盛り上げて…。
この作品を見る事ができて、本当に良かった、と思いました。

オオゾラさんには、強い心と心が激しくぶつかり合うような作品を見せて欲しいと、ずっと思っていましたので、今回それが叶ってとても嬉しいです。
本当に幸せな公演でした。
花組「銀ちゃんの恋」チームの皆さん、素敵な熱い舞台を見せて下さってありがとう〜(^^)/~~~
次の公演も、楽しみにしております。
青年館公演「銀ちゃんの恋」。
初日は見る事ができませんでしたが、昨日、今日と見てきました。
いやー、良くなりましたね。皆さん、本当に良くなって、嬉しいです。
出演者の皆さん一人一人が、のびのびと楽しそうに、そしてパワフルに演じていて。
青年館ではドラマシティよりも客席の空間が広くなりましたが、その分、いえもっと、皆さんのパワーが増した気がします。
舞台の隅から隅まで、大熱演です。そして、客席の拍手も熱いです。笑い声も大きいです。なんだか、ものすごい興奮状態の渦の中にいる気がしています。

それも、やっぱりオオゾラさんのテンションに圧倒されるからでしょうね。
声は更に出なくなってきたようですが、それを吹き飛ばすかのようなパワーを感じます。緊張感もありますが^^;
小夏のすみ花ちゃんは、ますます情が深くなって、いじらしいです。
そして、みつる君のヤスが、本当に本当に、良くなってます。
東京に来てから、なのかな?ヤスにグッと陰影がついてきたというか。
ドラマシティで私が見た時には感じなかった、屈折感や劣等感、そして何よりも銀ちゃんに対する執着心というか、歪んだ愛情のような色が出てきて。
「これよ、これ、私が見たかったのはこれなのよ」…という気分でございます。
やっぱり、この作品は銀ちゃんとヤスの二人の関係をどう描くか…ですものね。


以前にも書きましたが、私はこの作品は主役が銀ちゃんで、主人公がヤス、というダブル主演作品だと思っています。
「The Great Gatsby」が、主人公ニックの視線で描いたギャツビーの物語であるように、これはヤスの視線で描いた銀ちゃんの物語。
少なくともこの宝塚版「銀ちゃんの恋」は、主役であり、タイトルロールである銀ちゃんを描く物語です。この破天荒な「映画スタァ」銀ちゃんの生きる世界が、作品世界そのもの。

でもギャツビーと違うのは、二幕ではヤスと小夏が話の中心となる事ですね。
銀ちゃんは二人を照らし出す光となり、遠い存在となって、自身で心情を語る事はなくなります。
結婚式の幻想や出会いの場面など、ヤスの心が抱く銀ちゃんが描かれる事になり、現実の銀ちゃんはヤスから遠ざかっていく。
置いていかれたヤスは、必死に銀ちゃんを求めて。なんとか振り向いて欲しくて、追い詰められていく。
階段で、銀ちゃんに煙草の火をつけて貰う瞬間の、なんとも切ない事…。
青年館に来て、この場面の二人がグッと良くなったな〜と思います。

そしてクライマックスとなる、階段落ちの場面。
階段を這い上がろうとするヤスに、銀ちゃんは手を差し伸べます。
「上がって来い、ヤス!」
主人公ヤスの求める、光が、世界が、手を差し伸べる。
その、何とも言えないカタルシス!
「…銀ちゃん、かっこいい…」
観客は、ヤスに共感して、そのセリフに頷くのです。
土方コスが似合い過ぎの銀ちゃんが、手を伸ばしてくれるのが嬉しくて。


「上がって来い」というのは、階段そのものの事ではなくて。
多分、精神的な場所、なんですね。
二人が、対等の位置に立ち、並んで歩くという事。
10年間、ヤスは自分の意志を消して銀ちゃんの意志に従っていた。それは、ヤスが銀ちゃんの一部となろうとしていたようなもの。
確かにそれで二人は互いに理解しあっていた…事に、限りなく近かったのかもしれない。二人はべっとりとくっついて、不自然な状態なりに、幸せだった。
怒鳴られ、殴られても、ヤスは銀ちゃんの事以外何も考えず、自分の人生に不安を感じる事なく、すべてを銀ちゃんに委ねて生きてきた。

小夏の出産費用の為に自分で仕事を取るようになったヤスは、やがて自分の世界を持ち、自分の意志で生きていく存在となる。
ヤスは銀ちゃんの為にしているつもりでも、現実に二人の距離は離れてしまって。
今まで「良い映画を作る」ヤスの夢は、銀ちゃんが実現してくれるものだったのだけれど、ヤス自身が少しでも力を尽くす事ができるようになる。
たとえ、ちゃんとした役じゃなくても、顔が写らなくても、ヤスなりの「哀愁」で映画作りに参加して、お金もプラスして貰える。

でも、銀ちゃんは、もはや自分の一部でなくなったヤスを、以前と同じには扱えない。
もう銀ちゃんの望み=ヤスの望みではないから。
二人それぞれに違う不安と孤独を抱える、別の人生を歩きだしている。
でも、ヤスはその事に気付きたくなくて、まるで置いていかれた子犬のようにしょんぼりして…。
なんとか銀ちゃんの元に戻ろうとするヤスが、切ないですね~。
だってやっぱり二人は、互いに必要で。なお、傍にいたいから。
だから、ヤスが階段を上がらなければならない。

この花組版「銀ちゃんの恋」は、そんな銀ちゃんとヤスの物語なのかなーと、私の中で繋がったのでした。
…これからこの作品がどこまでいくのか。
楽しみに見守りたいと思います。
明日、いえ、もう今日ですが、いよいよ、花組青年館「銀ちゃんの恋」始まりますね。
ちょっと早いですが、初日、おめでとうございます。
私は多分、初日は見る事ができないのですが、成功をお祈りしております。

とはいえ、4.5日と、11〜13日でドラマシティ公演を観劇してきまして。
今までの感想を、まとめておきたいと思います。
今回は青年館の為のお稽古期間がありませんので、あまり変化はないかもしれませんが、どうなりますか?
非常に楽しみです(^^)


私は、初演は発売されたビデオを見たのみ。
まだ宝塚初心者でチケットの取り方もわからなかったし、簡単に見に行ける環境でもなかったのです。
当時の月組作品は、ビデオで見るばかりで、皆かなりの回数を見ていますが、この作品だけは二回か三回しか見ていません。
痛くて苦しくて、見る事が出来なくて。
だいぶしてから、テレビ放送された映画版を見ました。他の舞台は見ていません。
そのまま、10年以上がたってしまいました。


今回の再演・花組版の「銀ちゃんの恋」の印象を一言でいうならば。
「洗練されてクリアな、甘口。雑味のないスッキリとしたドライな味わい」というのが、私のイメージでした。
どうも、お酒のコピーのツギハギみたいですけど^^;

「初演とは、ずいぶんイメージが違う」「初演より、ずっと宝塚作品っぽい」
色々な方の感想などを読ませていただいても、作品に対する感想はこういうご意見が多かった気がします。
そしてヤスと小夏の二人の場面が、すごく切なくて、泣ける。
…まず、よく聞くのはこんなところでしょうか?

大空さんの「銀ちゃん」は、実に、意外なハマり役でした。
数々の「恐ろしい」お衣装をかっこよく着こなす…という不思議な技で、今の日本には存在しない「映画スタァ」を表現しています。
笑ったり泣いたり怒ったりと表情豊かな、陽気でパァっとしたスタァ・倉岡銀四郎は、今までのオオゾラさんのイメージを覆す、大胆な演技です。

ヒロイン小夏の野々すみ花ちゃんは、初演の風花舞さんと同じく、映画版の松坂慶子さんのコピーでした…初日の頃は。多分、初演と同じ演出指示によるものでしょう。しかし、後半はどんどんすみ花ちゃんの話し方になり、すみ花ちゃんの感情での芝居になった、という印象を受けました。

ヤスのみつる君(華形 ひかる)は、純粋で真っ直ぐに銀ちゃんを慕い、映画に命を懸け、小夏を愛する一途な若者。
銀ちゃんにどんなに殴られても、その憧れの念に、濁りも曇りも無い。
どんなに酷い事を言われても、悔しさや劣等感など抱く事もなく、ただ真っ直ぐにひたすらに銀ちゃんを愛している。
だから、彼の小夏に対する思いも葛藤も切なくて、美しい。
観客は素直にヤスに同情し、切ない想いを共有して、涙を流す事ができます。

「つか こうへい」作品なのに。
ジメジメと鬱屈した感情も、人間の醜さも、現実のむごさも、あまり感じない。
…痛くて痛くて、ビデオですら見るのが辛かった初演とは違って、切ない涙を流しながら、何度でも見たくなってしまいました。
さすがに、一日に二回見たら、ぐったり疲れてしまうのですが…それでも、また見たいと思いました。
役者が変われば、作品は変わるものですね。
それぞれの個性に合わせて場面の差し替えはありますが、メインの三人のドラマは、基本的に初演と変わらない筈なのですが。
今回の花組版は、やはり「宝塚的」というのが、一番しっくりするように感じます。

私が一番感じたのは、今回の再演は、銀ちゃんとヤスの関係における「暴力」の扱いが違うんじゃないかなー、という事でした。
私にとって、初演で一番痛くて見るのが辛かったのが、ヤスが暴力をふるう場面だったからです。
小夏に対しても、撮影所でも。
今まで虐げられていたヤスが、銀ちゃんに成り変わるように暴力に転じるのが、恐くて…。その恐ろしさが、痛みとして感じられたと思うのです。
でも、今回はその恐ろしさを感じなかった。

ヤスが「虐げられた存在」ではなかったからです。
ミツル君のヤスは、殴られて、肉体的な痛さを表現しても、精神的な痛みはあまり感じません。
大空銀ちゃんは、殴る姿までも、ひたすらカッコ良いばかり。
銀ちゃんもヤスも、暴力にしか縋れない心の歪みの得体の知れなさに、観客を恐怖させる事が無いと思うのです。
それに、殴られる側の悔しさ、肉体を征服される屈辱、理不尽な扱いを受ける事に反抗できない劣等感…。
初演では宝塚において可能な限り、「暴力」を振るう者・受ける者の、複雑に入り組んだ加虐心と被虐心の感情を、痛みとして描いてみせた。

今回、その部分をスパっと無くした事は、意図的なものかなーと思います。
この変化によって、石田先生が各所で語るテーマ「依存と束縛の関係性」が、クリアにストレートに見えるようになった…と、私は思ったからです。
銀ちゃんとヤスの二人において「暴力」の複雑な心情が消えた事で、ただの一方的で過剰なコミュニケーションの表現となった事が作品の根幹を変えたのではないかと思うのです。

「どうして殴ってくれないんですか?」というセリフは、だから、二人の関係が変わった事をストレートに表現するセリフとなりました。
銀ちゃんとヤスや小夏の間にある、生ぬるくて甘美な、相互依存の関係。
「ヤスだと、俺が安心するんだよ」
「ばーか、お前が俺の事、一番良く知ってからじゃないか」
一見突っ張った、その実は甘いセリフで、銀ちゃんは二人を縛り付けようとします。

今回の再演で気づいたのですが、ヤスと小夏はお互いにちゃんと紹介されてないんですね。
ヤスとは10年、小夏とも5年くらい?結構、長い付き合いなのに。
どうやら、生活と撮影所の密着した生活のようなこの人々。しょっちゅう一緒に行動して、私生活の関わりもあるらしいのに、小夏と一緒に住んでる事を何年も話してないなんて不自然じゃない?と、疑問に思ったのです。
朋子の事は見せているのに?

まあ、これが依存の一つの形なんだろうなーと思いますね。
心の奥にあるものを見せられるのはお前だけ…と思わせて、最大限に甘える為に、二人を会わせなかったのではないかと。
ヤスと小夏も、自分こそが銀ちゃんにとって、唯一の存在だと思う事が依存の形だったのでしょう。
「あのとんでもない人には、自分が傍にいてあげないと駄目なんだ」と。
恋人の小夏と、子分のヤス、それぞれに違う形で必要とした銀ちゃんは、二人の存在をそれぞれ見せない事で縛り付けていた。
けれど、小夏の子供の存在が起爆剤となり、三人の関係は壊れていきます。

三人の関係がストレートに見える事で、また、恋愛の三角関係もすっきりとクリアに見えるようになりました。
ヤスが暴力に対する複雑性を失った事で、銀ちゃんに対する憧れの念がより美しく見えるようになります。その為に辛い痛みは消えて、恋愛の切なさのみが真っ直ぐに表現されるようになったと思うのです。
そして「蒲田行進曲」は、「銀ちゃんの恋」というタイトルどおり、より三角関係の恋愛物語として、宝塚らしい作品となった。

つか作品らしい、じめっとした湿度の高い、鬱屈とした感情は無いけれど。
甘美な依存の関係が壊れ、自立した人間同士の関係として再生していく様は、ある意味でつか作品の本質の一部分を綺麗に見せる作品となったとも思えます。
というわけで、冒頭に書いた印象になるのです。
洗練された大空銀ちゃんによる、クリアな甘口の「蒲田行進曲」。スッキリと雑味のない、ドライなつか作品、です。

とはいえ、ドラマシティで私が見た限りでも、大きく芝居は変化していった部分がありました。
青年館では、この関係性も変わっていくのか、それともこのままスケールアップしていくのか。
興味津津で、観劇の日を待ちたいと思います。
皆様、どうぞお体にお気をつけて、この素敵な作品を楽しんでいただきたいですね。
「銀ちゃんの恋」チーム、頑張って下さいね〜(^^)/~~

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