見てきましたよー月組新人公演。楽しかった〜♪
本当に良い新人公演でした。

主演のまさお君(龍真咲)、大劇場の新公映像を見て「オリジナリティが見えない」なんて書いてしまった事、謝ります。本当に申し訳なかったですm(__)m
この新人公演でしっかり見せてもらいました。これが「龍真咲」という、鮮やかな色を。
最初のほうでは、硬い感じがしましたし、セリフの抑揚などは本役さんと同じような作り方だったので、「やっぱり…」と思っていたのですが。でも、話が進むにつれて、なめらかになって。気が付けば、舞台にいる「シャンドール」は、「龍真咲」そのもの。
全篇を通して、セリフの抑揚はやはり本役さんと同じ感じだったと思うんですが、そこに存在しているキャラクターが全然違うんですね。どこまでも「龍真咲」なんです。
まさお君の持つ、陽気さ華やかさ。ちょっとアザトさを感じさせながら、結構単純なお人好しで、優しくて。何よりも、ちょっとお調子者っぽい、た〜っぷりの愛嬌。そんな彼女の魅力がキラキラと見えていました。あと、声が少し低くなっていたのが嬉しかったな♪

ヒロインのねねちゃん(夢咲ねね)、やっぱり可愛い。ほんとに可愛い。めちゃくちゃ可愛い。
配役が発表された時、「正塚作品のヒロインの、ねねちゃんが見られる」と喜んだのですが、やっぱり良かった。役にぽーんと入っていける役者さんなので、まるで彼女の為に宛書きされた作品のように自然に演じていました。
あまりに自然にヴェロニカになってしまっているので、本役のかなみちゃんが「くすっ」と笑わせる所が、笑う場面じゃなくなってたのが面白かったですね。「息が…」とか、カタコンベの動揺っぷりとか。
ねねちゃんはあまりにも一途で、必死過ぎて、笑うどころでは無いのです。ただただ、ヴェロニカの感情の揺れを表現するのみ…という感じかな?
私がファン過ぎるせいなのもあるでしょうけど、彼女に感情移入してしまって、一緒に苦しくなったりしてましたが^^;ファンじゃない方から見れば、本役さんに比べて物足りなく感じたかも。
笑わせる為の間を取ったりも、してませんでしたからね。

そして、まさお君と二人の場面は、本公演とは違う、この二人なりの感情のふれ合いを丁寧に描いていて、とても素敵でした。前回のアルマンドとミミもそうでしたが、二人での芝居をしっかり作ってくれるのっていいなー。今まで見てきた月組新公では、あんまりそういうのは無かった気がして新鮮です。
今回のポイントは、教会で襲われる所からカタコンベの二人の場面。
本公演では、シャンドールを逃がそうとする、ヴェロニカの強い意志を見せる場面。
ねねちゃんは、泣きそうになりながら、必死でシャンドールを逃がそうとするのです。シャンドールを喪う事には耐えられないから、自分の命を投げ出そうとするような、必死さ。
その姿は弱くて痛々しくて。妹だけを死なせてしまったような痛みを、また味わう事はできないんだな…という感じがしました。そんなヴェロニカの心の傷を見たシャンドールは、彼女を守る為に犯人達に従ったんだなと、納得できました。
カタコンベでは、怖がるヴェロニカはやっぱり必死で、本役さんとは違って笑わせるような芝居をしないんですね。
まさおシャンドールも、からかった後、へたれこんだヴェロニカを見て「しまった」という感じになり、それからはすごく優しくなるんです。そして、怯えるヴェロニカを包み込むように、出口を探しにいくのですが。
ねねヴェロニカがシャンドールの優しさに守られ「こんなに優しい人なんだ…」というように、シャンドールを見つめるのが可愛くて。
二人がふと見つめ合う時、心が通いあう…というような、とてもロマンチックな場面になっていました。
この場面で、私は初めて、「まさお君って…なんてカッコよくてイイ男なんだ」と、心の底から思いましたよ(^^ゞ
可愛い下級生と思っていたまさお君を、初めて頼れる男だと思いましたね。うん、素敵な場面でした。

事件が解決した、パーティ後の二人の場面では、ねねちゃんは本当に別人になったような、晴れやかな笑顔です。やはりここでも、ヴェロニカは自然なまま、笑いは取らずにシャンドールの告白を受け入れます。
そして二人で幸せに笑い合うんですね。彼女の本来の姿であろう、明るさと無邪気さを取り戻した、鮮やかな変貌。その笑顔はシャンドールがもたらしたもので、花がほころぶような笑顔は、彼に対する勲章のようなものかもしれない。
そしてシャンドールを信じきった、無邪気過ぎる瞳に、彼は少し憂鬱になる。…実際は、超能力は本物じゃなく、偶然の積み重ね。彼がした事は僅かな事だけ。本当は、ただの無力な男に過ぎないのだから。
でも、彼は彼女を愛してしまったから。彼女は、晴れやかに彼に微笑むから。シャンドールはヴェロニカを抱きしめる。無力でも、二人で寄り添い、生きていく道を思い描く。…と、この新人公演版はそんな二人の物語なのかなーと思ったのでした。
全員が再度登場してのコーラスの中、銀橋で寄り添う二人は、美しく希望に満ちていて。…ああ、良かったね、と見ているほうも幸せになる場面でした。
フィナーレがカットされた為、シャンドールとヴェロニカは銀橋から上手花道にはけて、そこで本舞台方向を見ながらポーズで、幕が終りる…この演出も素敵でした。

…時間切れです(T_T)
他のメンバーについては、また後日。
もう少し先まで観劇の予定が無いので、とりあえず覚書を。

「MAHOROBA」
とにかく、この作品をまた見られる…というだけで、嬉しくて。
特に好きなのは、実は、オープニングの「国造り 神造り」かも。
天女達の登場から、神々の誕生、そして舞台に大勢の神々と神子達が勢ぞろいしての大合唱に、毎回うるっときそうになるんです。誕生って、命を喜び、生の喜びを謳う場面…だからなのかな?舞台に大勢の月組生が並んで喜びを歌う、その迫力に、ガーーーっとテンションが上がります。
音楽もすごく好き。毎回、優子先生って素晴らしい〜と思う。

あと、収穫の場面。あのビジュアル系のサダル様が、野菜でいっぱいに飾りつけられた笠を持ち、盆踊りのように踊る違和感。この踊りで、この美しさ、色気、透明感…。
更に、歌いだせば、民謡というか演歌というか…コブシがまわってます。でも、あくまでカッコ良いです。素敵です。
その素敵さが…かなり面白いです(あ、言っちゃった ^^;)

「椿」の場面。
本当に美しい場面で、映像もお衣装も音楽も踊りもフォーメーションも、なにもかも大好きなのですが。
だがしかし、男役の濃いお化粧のまま「椿の精」として踊る面子から目が離せません。
特に、えり緒ちゃんと美翔君が並んでいるのがツボ。ものすごく表情豊かな、えりおっと。クールビューティのみっしょん。長身の二人が並ぶと迫力満点。あ、下手にいる榎のとーやんも、かなり面白い(あ、また言っちゃった ^^;)

「マジシャンの憂鬱」
ネタバレも少し含むかもなので、何も知りたくない方はスルーして下さいませm(__)m

色々、説明セリフが追加されてますが、私はそれよりも居候5人組が良くなって話に感情移入できるようになったかも。
ともかく、発明家ジグモンドのシャンドールへの心配が、かなり深まった気がする。(TCAの週に見た大劇場公演比)
もちろん、他の4人もなんですが。なんだか発明家さんが、大劇場よりちょっとテンションの高いキャラになった…気がしたんですけど気のせいかな?
狙撃の後のラースロとの会話から緊迫感が漂い、居酒屋でのみんなの会話もシャンドールへの心配が大きくなって不安感が立ち込める。
侍女達が入ってきた時に、その不安感が、なんとくな〜く侍女達への反感みたいな空気に流れるようになった気がします。紹介の時も、みんな気まずい雰囲気になったような。
ジグモンドも以前より更に不機嫌っぽい。でも、彼女達には何も言わない。で、グラスを頼んだりするところが、さりげない会話として更に生きてきたかな。
しかし、その後エヴァの可愛さに気付いて騒ぐ、あひちゃんヤーノシュの空気の読めないキャラも、更に際立ってます^^;

二人が捕まったあとの屋敷での会話も、緊迫感が増した気がします。友人の命がどうなるのか…という場面らしくなったかな。
ここが盛り上がると、私的にはすごく嬉しいです。「起承転結」の転から結への流れですし。この、屋敷の場面から、殿下の場面へ流れる演出がとっても好きなので、この二つの場面には温度差が大きいのが良いと思う。良い感じです(^^)

あ、でも、パーティの後、盆が回って別れの場面になる時に、ジグ君が手を振ってなかったような気がしたのですが。これは自信がない。
すごく良い表情でシャンドールを見送っていたのに、見とれてました(^^ゞ

さて、覚書きというわりには長くなってしまいました。
その他は、また今度〜。

10周年♪

2007年10月7日 月組
昨日は月組東宝初日、そして個人的には「大空祐飛さんと出逢って、ちょうど10年」の記念日でした。
せっかくですから、記念に初日を観劇して、一人でこっそり、祐飛さんとのこの幸福な出逢いをお祝いしておりました。
もちろん、記念の日なんて、それ自体は何の意味も無く、何かが変わるわけでもないのですが。
10年、この人を見てきたんだなーと思うと、不思議な気もします。

「チェーザレ・ボルジア」の地方公演ドン・ミケロット役で出逢い、その次の「EL DORADO」のジプシー役を見て「ミケロットのほうが良かったー」と思い、あの出逢いは勘違いかもしれない…なんて思ったのでした。当時は各公演1回か、せいぜい2回くらいの観劇で、バウに見に行くなんて、考えもしなかったので、「ワン・モア・タイム」は見ていません。リトル・チェンはナマで見たかったな。
そして、その後の「WEST SIDE STORY」の大劇場公演を見に行って、完全に祐飛さんのファンになりました。
私的には、あの時、トニーと同じように「チノに撃たれた」…ような衝撃だったのです。
それからは、どんどん観劇回数も増えて、TCAのようなイベントや、トークショー等の他は祐飛さんの出演した公演は基本的にほとんど見ている筈。あ、中国公演もナマでは見てないか…。

こんなに見ていても、少しも飽きる事などなく、常に成長し続ける祐飛さんはすごいな、と思います。
長くファンをしていると、出会った頃のようなトキメキを感じたり…というのとは、ちょっと違ってきますが。想いは深く、暖かく、静かに降り積もっていくものなんですね。
これからも、益々魅力的な姿を見せて下さる事でしょうね。楽しみに見させていただきます♪
本日、初日を見てきました。
実は、私は宝塚ファン生活で東宝の初日を見るのは初めてなんです。なんとなく緊張してしまいました(^^ゞ

公演は、特に大きな変更は無いかな?
お芝居のフィナーレで、きりやんの場面、娘役さん達のお衣装が代わったのが一番大きな変更かな。上級生のお姉様がたは、濃い青のドレス、下級生の娘さん達が、水色のドレス。
ショーでは、変更には気付きませんでした。…まあ、もともと見えてない部分が沢山あるので、あまり自信は無いのですが。
お芝居はちょこちょこ説明セリフが追加されていました。まあ、あんまり書くのもナンなので、舞台を見てのお楽しみという事で。

全体に、大劇場で見た時よりもパワーアップした印象でした。上級生から下級生に至るまで、皆さんキラキラの良い笑顔でした。特に下級生さん達は月組に馴染んできたのか、ずいぶん表情がリラックスしてきた感じ。すっかり月組生として、いきいきと舞台を楽しんでいる姿が嬉しかったです。
こうやって月組に新しい仲間増えて、新しい月組が形作られていく姿を見るのは、組ファンとして幸せなものです。
…別れは辛いけれど。
退団者4人の輝きの美しさに、改めて切なくなりました。これから少しも見落とす事がないように、しっかりこの方達を見なければ。

でも「MAHOROBA」、久しぶりに見れたのが嬉しくて!
なんだか、理屈を超えてこの作品が好きなんだなーと、実感しました。どの場面も本当に大好き。

これから、また何度もこの公演を見る事ができると思うと、幸せでワクワクします。
月組の皆さん、どうかお体にお気を付けて、この東宝公演を楽しんで下さいね(^^)

もうすぐ

2007年10月2日 月組
やっと、月組東京お稽古風景の映像を見ました。
登場の前に、派手な動きでウォーミングアップをしている大空さんに、目がクギヅケです(^^)
いよいよ、始まるんだなーと、やっと実感がわいてきました。

私的には、ちょっとした記念日!と盛り上がっていた月組東京公演初日。近づいてみると、なんだか、いつもと変わらない日常のような…気になっていたのですが(^^ゞ
気合をいれて、初日に備えなければ。

バウの出演者も発表になりましたね。
特に中堅以降、私のお気に入りさんの名前がいくつもあってすごく嬉しいです。特に、アーネスト、オクラホマとミュージカルの出演が続いていた生徒さん達がバウに来てくれたのが、嬉しいな♪
どちらも良い作品ですが、海外ものはメインキャスト以外は「アンサンブル」になってしまうのが、中堅・下級生には痛いなーと思っていたのです。宝塚の、特に「芝居の月組」では「誰でもない」アンサンブル扱いは、悲しい。「オクラホマ」は結構みんな村人としての役があったので、少しマシでしたが…。でもミュージカルのアンサンブルは、宝塚オリジナル作品の、芝居やショーで歌ったり踊ったりするのとは違うものですしね。
今回のバウ「HOLLYWOOD LOVER」は、結構人数が多いので、ラスパの時のようには活躍できない生徒さんもでてくると思いますが…。それでも、生徒さん達皆さんに良い役が与えられて、その人なりの人生を生きる姿がみられるといいなーと、祈っています。
DCは青年館に来てくれるけど、ワークショップには行けないのがツライです。でも、遠くから、応援しているからね(^^)

でも、まずはその前に東宝公演です!
楽しみに待っております。

…それにしても、今日、公式のミーマイ「一部配役決定」にドキドキした、私のトキメキを返して欲しい(T_T)
あの二人がビルとサリーなんて、そんな事、知ってるよ…。
CS放送「バレンシアの熱い花」月組版…宙組公演を観劇してから見ようと思って録画していたのに。
冒頭をうっかり見てしまったら、ついつい引き込まれて…最後まで見てしまいました。
いやー、さすがに全盛期の柴田作品は良いですね。
ともかく、役者に芝居をさせてくれる脚本です。舞台にちょっと出てくる、ほんの小さい役の短い芝居でも、見せ場がありますね。脇の役者さんがやる場合も若手がやる場合もあるでしょうが、その人なりの工夫をして、人生を表現できる。そして、様々な人物の思いが絡まって物語を進めていく。これが、芝居ってもんだな、と思って見てしまいました。

そして、柴田先生は女役さんを使うのが、本当に上手いですね。
この公演では、ヒロインのイサベラは本当にカッコ良くて”娘役”さんなんて呼ぶのは申し訳ないような。柴田作品にあたると女役さんは退団を決意する…と言われていましたが、納得です。
この「バレンシアの熱い花」は、男役さんが素敵な役だという事で有名…と聞いたのですが、女役さんも素晴らしい役ばかりですね。
イサベラ・シルビア・マルガリータ、そしてセレスティーナ…どの役も、美しく、カッコ良い。
何よりも、どの役も、誇り高い女達である事が印象的でした。この物語は女達の誇りが、動かしていくのではないかと思ってしまったのです。

まずは、物語の始まり。ルカノールの前に現れたセレスティーナが、領主に対して苦言を呈する場面。
前領主の妻としての誇り高さが、圧倒的。良い領主であった夫に誇りを持ち、その夫を支えた事もまた彼女の誇りの源なのかな。その責任感もあるのでしょう、真っ直ぐに権力者に向かっていく姿は、力強くて素晴らしい。

そして、ヒロインのイサベラ。小松美保さん。
主人公のフェルナンドの住む貴族社会の誇りを、母・セレスティーナ達がきっちり見せた後で、下町で生活する”庶民”として登場します。
しかし、彼女には平民の女なりの誇りがあり、真っ直ぐに気高く生きている。その鮮やかな美しい女がフェルナンドに心を動かし、彼が秘かに抱いていた孤独にただ一人気づいて、受け止める。その時、彼はは何も偽る事ができなくなってしまう。彼女に惹かれている事も、婚約者を裏切れない事も。
フェルナンドに恋をした彼女は、そんな彼の告白を受け入れて、貴族の若様ではなく何者でもない、「もう一つの顔」の男を愛する…。
全てが終わった時、彼女はフェルナンドに別れを告げます。
身分が違いの恋だから、当然…なのでしょうね。貴族の若様と平民の娘が無理に寄り添おうとしても、世間のそしりを受ける事でしょう。でも、彼女はただ、違う世界に生まれただけ。平民の女なりに真っ当に生きてきたのです。何も貴族などに馬鹿にされるいわれは無いのですから。
愛人というのは可能だったと思うのですが、誇り高い彼女はそれを自分に許す事はできない。神に背く事も「お嬢さん」を悲しませる事もできないし、フェルナンドにはクーデター後の国をまとめていく責任があります邪魔はできません。
終わりがあると分かっていても、彼女は惜しみなく、自分の心を彼と分け合った。そして別れの時。相手を失う痛みは、やはり大きい。それでも、真っ直ぐに頭を上げて別れを告げに来るイサベラの潔さは、本当に切なくかっこいいですね。

そして、もう一人のヒロイン、シルビア。舞小雪さん。
ルカノール公爵に陥れられ、彼に身を売った、貴族の美しい姫君…だった人。それは、女性にとって誇りを踏みにじられるような事で。彼女はもう”姫”ではなく、人妻の憂いと色香を漂わせる哀しい女性となった。イサベラとは対照的な存在ですね。
更にかつて恋人であったロドリーゴが、同じ屋敷に住み、常に無言で責められている状態に。大地真央さんのロドリーゴは、若く清潔な美しさにキラめいていて、いたたまれない日々だと思います。初演の瀬戸内美八さんの映像は見た事が無いのですが、清潔感と色気のある方、ですよね。
全てが終わった時、彼女は死を選ぶ。
確かに、あの清潔な若者に愛されるワケにはいかないだろう、と思います。かつて幸せな恋人だった時代があるだけに、変わり果てた自分を彼女は受け入れる事ができない。世の中を知らず穢れを知らない乙女としてロドリーゴに恋していた時の誇りが、許さない。ルカノールに踏みにじられた誇りを取り戻す為、彼女は海に身を投げたのだと、思いました。思いつめた顔で、決然と一人歩いていく姿は、哀しく、美しいですね。

最後に、何も知らない、知らされない少女マルガリータ。
彼女もまた、少女の小さな誇りを守り、泣き言も恨み事も言わず、黙って耐えています。何かがあると察しながらも、フェルナンドに無理に問い詰めたりはしません。その姿は、いずれはセレスティーナ夫人のような、立派な「貴族の奥方」になる事を予感させます。だからこそ、フェルナンドは決して彼女を裏切る事はできない。彼女と結婚して、クーデターの首謀者であるレオン将軍の後ろ盾を得る事。そしていずれは父の跡を継いで新しい領主となり、この土地を平和に豊かに治める事が、彼の背負った責任なのですから。
また、ラモンの妹ローラも、暴力に怯える事なく抵抗して、命を落とします。どの女達も皆誇り高く、強さと激しさを、たおやかさの裏に隠しています。(月娘達が、強く誇り高いのは、この時代からの伝統なのかしら?…と、思ったり^^;)

冒頭、ルカノール公爵の屋敷と、フェルナンドとレオン将軍の会話でざっと状況を説明したあとは、様々な人物たちのドラマが畳み掛けるように展開するこの作品。フェルナンドとロドリーゴ、それぞれのドラマを並べ対比させる事で、舞台の世界観を観客に納得させ、お互いのドラマを強調しあい、そこにロドリーゴが加わる事で更に新しいドラマが展開して…と、本当によくできた脚本ですよね。
どこにも無駄がなく、全てが有機的に作用して。ぱっと見た限りでは自然見えますが、もの凄く凝った作品だと思います。
「あかねさす紫の花」も同じ手法を使っていますが、時間の転移があるので、ちょっと難しい。が、多分この「バレンシアの熱い花」のほうが、作るのは大変なんじゃないかな?
なんと言ってもキャラクターがすごく多いですからね。その分、一人ひとりの人物の持ち時間は少ないワケです。脚本は、吟味した無駄のないセリフで心情を伝え、役者はセリフでは何の説明も無い部分を明確に演じなけらばならない。
…でも、その説明の少なさが、この芝居の良い所なんですよね。私は、宝塚に限らず、登場人物が心情を全て、セリフで”説明”してしまう、イマドキの風潮が嫌いなので「これこそがドラマの醍醐味よ!!」と思います。
特にフェルナンドとイサベラの、複雑な心の通い合いは、ほとんどが歌と踊り、表情、しぐさで表現されます。そして、最後の「私のイサベラも死んでしまった」というセリフで。
…二人は互いの心を分け合った。別れは、自分の心の中の、相手と分かちあった想いを失う事。別れても、もう、出会う前の自分には戻れない。心の一部が死んでしまい、相手もまた心の一部を喪った。…その傷を絆として、二人は別の人生を歩き始める。その刹那の時間の深い心の交わりが、人生を変える重みとして、しっかり伝わってきます。
やっぱりすごいよなー、柴田先生。ロマンチックな恋愛至上主義でありながら、人間の心の真実のような部分に触れてくる感じ。イマドキの、主役がずっと舞台に出ずっぱりで、えんえんと心情を説明しながらも、まるっきり心が伝わってこない演出家さん達は何やってんだろーと思いますよね。役もずいぶん少ないのに。
最近の月組作品でいえば、某キムシンの「なんちゃらのローマ」とかね。主人公が敵を倒す話…と、大きく括れば同じようなものですが、感動の度合いがかなり違うと思う^^;

その後、宙組公演を見ましたが、演出家・中村なんちゃら…さすがですね。ドラマを単調な一本調子に流す天才!
この、ドラマチックな場面の連続の、美味しいとこ取りだけで作られた作品を、よくもあれだけ…すげーや(-_-;)
月組の皆様。千秋楽おめでとうございます。
一日遅いですけど、行けなかった私はCSの映像を見て初めて「終わったんだな…」と、実感したので。
暑過ぎたこの夏に、普段よりも更に体力に必要なこの公演。また、一部の生徒さんにはTCAが重なり、大変だった事と思います。
本当にお疲れ様でした。
CSの映像を見て、なんとも暖かで、そして…寂しい気持ちになりました。公演は、本当にアツく素晴らしかったようですね。
でも、退団者のご挨拶は…。

多分、私はあの映像を見るまで、心をシャットアウトしていたんです。
エリさんと末子はんの退団を、分かっているふりして信じていなかった。
今は胸が痛くて仕方がありません。
退団者の三人の晴れやかで、幸せそうな笑顔が…余計に辛い。
後ろで、普段からは想像もつかないくしゃっとした顔になって、泣くのを堪えている祐飛さんときりやんが映って、また涙。
長い時間を共にすごし、色々な舞台を一緒に作り上げてきたこのお二人は、どれ程の思いであの場に立っておられた事でしょう。

私には、ただ三人の幸せを祈り、東京公演を見守る事しかできません。私の心には何の力も無く、祈りは届く筈もない。
それでも。ただ、遠くから祈ります。
三人の未来に幸せを。そして、月組の皆さんに幸せを。

皆さん、僅かの間とは思いますが、どうぞゆっくりお体を休めて下さいね。
東京にて、皆様をお待ちしております。
先日、テレビをつけたら。
あどなーいお顔の祐飛さんが、いきなりどアップに!
硬直してしまいました^^;
「アンコール!スターの小部屋」の「チェーザレ・ボルジア」新人公演座談会。
12年前の、祐飛さんのアップです。そりゃあ、硬直しますよね。20代になったばかりですよ、オオゾラさん。
まだまだ、お顔がふっくらしていて、表情も女の子っぽくて。
そしてまだ、声が高い!あま〜い甘い声です。話し方も、今よりずっと甘い感じ。…可愛いなー(^^)
この声、本当に好きだった〜。祐飛さんがこの声じゃなければ、きっとファンにならなかったと思うくらい好き。
声を低くする時に、ずいぶんハスキーになってしまって…それはそれで色っぽい感じで良いのですが、たまに昔の声を聞くと、嬉しくなってしまいます。

新人公演の主演は成瀬さん、ヒロインは水沢葉月ちゃん…懐かしい面子だなぁ。そういえば、この新人公演で、祐飛さんはいきなりの二番手役で話題になったんですよね。幼い顔だけど、役について的確な事を話してるなー、やっぱり祐飛さんらしい。
ナルちゃんと話す祐飛さんは、本当に仲が良さそう。遠慮が無いっていうか、下級生のわりに図々しいという感じが意外です。久世さんを慕う仲間で、一緒に海外旅行に行ったりした仲良しさんなんですよね。
成瀬さんが希望的な事を言った後、祐飛さんに「どうだね?マキャベリ君」とセリフで話を振ると、それに答えるセリフで「そんなに上手くいくんですかねー?」と返して、二人で大笑いするのが可愛い♪でも笑いながら、「今のはセリフなので、冗談ですから!」と弁解しつつ次第に「しまった、テレビなのに生意気な事言っちゃった」というのが顔に出ちゃうのも、可愛いですね。貴重な映像だ。

この「チェーザレ・ボルジア」は1996年の10月の公演。
その一年後、当時トップスターだった久世さんが退団後に、次のトップになったマミさんが主演で全国ツアーに回っています。
祐飛さんは、またこの時も異例の抜擢で4番手のドン・ミケロット役でした。てっきり水しぇんがやると思われていたので、話題でしたね。
ミケロットの部下の4人組の一人が水…なんて、今となっては有り得ないですけど。
当時の私もかなり不思議に思って、興味津々でミケロット役の知らない下級生を見ていて…オチました。

チェーザレの腹心の部下であり、友であり、そして裏の仕事を受け持つ「暗殺者」、ドン・ミケロット。
本公演で演じた汐風幸ちゃんは、この人物の、忠実な部下でありチェーザレの友人としての面を中心にした役作りでした。劇中で暗殺の場面もあるのですが、幸ちゃんの風貌もあって、良い人に見えたんですよね。
でも、祐飛ミケロットは冷酷な「暗闇の暗殺者」でした。
幸ちゃんよりもまだあどけないお顔なのに、すごく暗い、冷たい目をして。本公演ではあまり目立たなかった暗殺の場面が、かなり印象的になっていて驚きましたね。主演者の変更で、お話も多少変えてあったのですが、祐飛ミケロットは作品の影の彩りとなった…と思います。
走ると女の子になってたし、セリフはかなり下手だったりで、もうちょっと下級生なのかと思ったくらいでしたが。そこは本役が上手な幸ちゃんだったのが、ハンデでしたね。
ともかく、それが私と「大空祐飛」さんの出会い。その時はお気に入りの一人で、祐飛さんが一番の人になったのは「WEST SIDE STORY」のチノなんですが。

先日、公演のプログラムを探してみたら、私が見たのは1997年10月5日でした。なんと、今年でまる十年。
そして、その日は東宝公演の初日ではありませんか!
10月5日は、私にとってはすごい記念の日。…というワケで、ハンドルを「いつか」と名乗ってみたりして(^^)

そしてもう一つの記念。
私が初めて月組を見た「ME AND MY GIRL」は、1995年の秋の作品でした。見たのは9月14・15日くらいだった気がする。
宝塚を初めて見たワケではないけれど、ファンになったのは月組の「ME AND MY GIRL」でした。
ちょうど、まる12年過ぎたんですね。
その時は、ジョン卿を演じる久世さんのファンになったのですが、再演が決まってちょっと複雑な気分。
祐飛さんの今の立場だと、ジョン卿を演じる可能性がありますよね。初演の二番手のカナメさんはジャッキー役でしたし、再演の二番手久世さんはジャッキーはちょっと無理なキャラで^^;ジョン卿を演じたけど。ジャッキー役のほうがナンバーが多くて目立つ役だし、パワフルな女性歌手の役。祐飛さんのジョン卿だったらすごく嬉しい。見たい。
でも大好きだった久世さんのジョン卿と比べたり、比べられたりするのは、ちょっとイヤ。でも、他の人よりも祐飛さんで見たい…なんて複雑^^;
ま、祐飛ファンとしての本音だけで言えば、ジャッキー役で足を出してくれたら嬉しいなー、なんですけどね(^^ゞ
…お歌は難しいかもしれないけど。
先日書き忘れたことを思い出したので、追記。

二幕のロックメドレーのどこかで、どなたかが歌っているバックかな?
4組のカップルが踊っていた。まず、目に入ったのが、まっつとれみちゃん。…なんて、幸薄そうな二人なんだ!
ものすごく似合い過ぎてびっくり。あまりに似すぎていて、惹かれあった挙句、実は血の繋がった兄妹でした…とかいう、最近どっかで見た話が似合いそう。
と、思っていたら、その後ろにいるのはねねちゃんだ!…組んで踊っているのは、ミツル君?なんでまた、そんな組み合わせに。ねねちゃんのほうが大きいし、肩幅もあるだろうに^^;二人とも可愛いけど…サイズ以外は、似合ってるけど…うーん。
その二組のカップルに見とれていたら、暗転する直前に、反対側にひろみちゃんがいた…ひろみちゃんも見たかったのに(泣)そして、もう一組は不明。

ディスコキングな祐飛さんが歌う後ろで、ひろみちゃんが踊ってた!
ものすごく懐かしい気分。ひろみちゃんが雪に行ってしまう前、どうやって祐飛さんとひろみちゃんを同時に視界に入れるか、いつも頑張っていたのが懐かしい。
でも、今の雪組さんを見てると、不思議な気分なんですよね。水・となみ・ひろみ…という、月組出身の三人が並んでいて。
それぞれ、違う時代に月組で活躍した三人。そして、それぞれ違う時期に月組を出ていったのに。
宝塚の時の流れって、不思議だなぁ。
水しぇんは私が宝塚を見始めた頃に、最初に頑張って探した下級生…だったんです。プログラムの写真がすごく綺麗でねー。まだお化粧に慣れない変な顔の下級生の中で、一人だけ綺麗だったんですよ。こんな綺麗な人なら舞台で探してみなきゃ!と思った人です。舞台化粧と普段の顔のギャップに驚かされた、最初の人でもありました^^;
となみちゃんは「からさわぎ」のピエロちゃんからのお気に入りで、当時はショーでもお芝居でもなんでもいいから祐飛さんの相手役が見たい!と願っていました。願いが叶いディナーショーで相手役をしてくれて、喜んでいたら組替えに。東京再演で代わって相手役になってくれた、るいちゃんも組替え…。その次のディナーショーで相手役になってくれたひろみちゃんも組替えで、今、となみちゃんと一緒の舞台に出ているんですものねー。

あ、思い出したんですけど。
TCA初日のオープニング、全員が舞台に揃った時。先日は祐飛さんの隣が間違ったと書いたのだけど、隣の隣の…確か、すずみんが笑顔で自信たっぷりに人より早く腕を上げたんだと思う。そして、誰か忘れたけど隣の人が焦り、祐飛さんもあれ?…となってきて^^;曲はもうすぐ終わりにかかる所で、みんなバラバラのタイミングで最後のポーズをとっていたような。今、ここで手を動かしていいかどうか…と迷う、祐飛さんの指先が可愛かったです。
その後、銀橋に出る為にみんなぐるぐる歩き始めるのですが、歩き出しも「あ、ヤバい忘れてた」みたいな、微妙なタイミング。…ところが、後ろの人が気づかずに付いてこない!焦る祐飛さん。みんな歌っているのですから、声をかけるワケにもいかず、でも先に進まなきゃいけない…というところで、その人は気づいてくれてホッとしてました。時間にしてみればほんの僅かの事でしたが、見ている私も焦りましたから、ご本人様達にはすごく長い時間に感じたのではないでしょうか。
でも、後ろを見て焦る祐飛さんは、すごく可愛かったですけどね♪

旅の思い出

2007年9月9日 宝塚
思いもかけずTCAのチケットが手に入り、9月7日、突然大劇場の旅に行ってきました。
あわてて仕事の休みを取ったのですが、おかげさまで台風の一番大変な時に通勤の心配をする必要が無く、申し訳ないような(^^ゞ
TCAは18:30なので、のんびりです。
こんな時、便利なのがスカイマークの神戸空港便の飛行機。羽田−神戸が10,500円。新幹線の回数券利用より安い。最近は飛行機が値上がりしちゃったから、普通の航空会社の飛行機より5千円くらい安い。貧乏人の味方です。しかも、いつでもお席に余裕があって、直前でも取れるのも便利。便数がすごく少なくて、11時公演を見る時は使えないのが残念。
神戸空港は新しくてピカピカ。小さい空港なので、羽田や伊丹のように歩かされることがないのも好き。
三宮で阪急電車に乗り換えますが、大阪よりも人が少なくて動き易いし、街がコンパクトなので歩かされない。…年なもので、旅行荷物を持って歩くのは嫌いなので有難い。

便が少ないので早めに神戸に着く飛行機しか利用できず、三宮で宿に寄る事に。暑い日だったので、お風呂に入ったりして。
大劇場に着き、プログラム600円を購入して、着席。
貧乏な庶民なので、大劇場でTCAを見るなんて滅多に無い事。これで3回目。やっぱりドキドキします。
大空さんをはじめ、お気に入りさん達の出番をチェック。

今年は「モン・パリ」80周年の記念という事で、白井レビューの有名作をイメージしているらしい。
…なんだけど、プログラムを劇場に忘れてきてしまったので、詳細は分からなくなっちゃった(^^ゞ
月組はハレムにさらわれてきた娘達の場面。CSでやってたとこね。
かなみ・れみ・ねねちゃんが、攫われてきて故郷を想う可哀相な娘達。きりやんと祐飛さんが彼女達を追い詰める…。祐飛さん、エロかっこいい…という言葉を使うべきなんでしょうね。
まるで、祐飛さんの為にあるような役でした。
祐飛さんから追い詰められたれみちゃんを庇い、腕を掴まれるかなみちゃん。逃れたれみちゃんが、ねねちゃんと手を取り合って悲嘆にくれる様子にも、心トキメキました。

雪組さんが、NYがテーマだったんだけど、そのレビューが1929年に発表された…というのが、印象的。大恐慌以前だったんでしょうかね?「お金が渦巻くウォール街」みたいな歌詞もありましたけど。ついつい、ラスパの大恐慌の場面の音楽を思い出してしまいました。

二幕は祐飛さんはオープニングとフィナーレしか、出ないのね。
お気に入りの下級生さん達は、バックダンサーでチョコチョコ出場。やっぱり、月組時代にしっかり見ていたひろみちゃんは、二階B席でオペラグラス無しでもすぐに分かります。あと、まっつとみりお君は、まだ一目でわかる程ではないけれど、小さいのでわかりやすい。ねねちゃんは、でかくて分かりやすい。れみちゃんは可愛くて分かりやすい。二幕の始まり、下級生さんがたは「レ・ビジュー・ブリアン」のジャージのお衣装で、月組生はその時の自分のお衣装を着ているようでした。紫のお衣装を着たひろみちゃんが、まるであの公演の時にも月組にいたような錯覚に。雪組さんで修行をしたら、いつか月に帰ってきてくれないかなー。

勿論、祐飛さんもオペラグラス無しでも、シルエットでわかります…が、二幕の幕開き、銀橋で背中向けてたのは気付くのが遅れました。最初銀橋のきりやんの声が聞こえて、一生懸命本舞台を探してた(^^ゞ
「HERO」を歌う時も、フィナーレの大階段の黒燕尾も、すごく素敵でした。祐飛さんらしく、セクシーでドラマチック。燕尾では立ち姿に安定感があって、堂々としてて良かった。

しかし、全員が揃う所は…かなりあやしかったですね。
オープニングもエンディングも隣の人が間違い、祐飛さんもまわりの人も不安になったようで、みんなでぐだぐだに。不安になった祐飛さんも間違えていたようですが、まわりみんな別々の事をしているので、誰がが正しいのか不明でした^^;
初日だからでしょうか、後の二回では大丈夫だったのでしょうか。最後は笑ってしまっていて、可愛かったですけど。

今回は構成的にトップコンビ中心。フィナーレで、トップさん達が一人ずつ公演の主題歌を歌う所では、各組の公演の思い出が蘇りました。
…しかし、月組さんはディナーショーの主題歌でした。月組子は4人しか出ていません。見ていない私には、思い出す記憶が無く寂しかったです。演出家、何を考えてるんでしょう?トップさん達は組を代表して、そこに立っている訳ではないの?頑張った月組子達の思い出を無にされたみたいな気分。

翌日、11時公演を見ました。
祐飛さん、ちょっとお疲れの模様…かな。三回公演ですからねー。
でも、公演は熱のこもったもので「MAHOROBA」の白い鳥には、ちょっとほろりときました。月組頑張れ。
お芝居のほうは「奇跡の男」と歌う皆さんが、以前に見た時よりずっと表情豊かになってて面白い。前は新公前だったので、特に下級生さん達がイキイキしてきた気がしました。早く東京に来てくれないかなー。やっぱり回数見ないと下級生チェックは難しい。 
祐飛さんジグモンドは…ますます探偵さんと仲良しに。仲間達とも更に仲良くなってますね。
居酒屋で、シャンドールが挨拶無しで消えようとしたと言われた時の、ショックも大きくなってて可愛い。息を呑む音が聞こえたような気分。
ヴェロニカ達に紹介される時、「こいつらが、こんな危ない事に巻き込んだから、シャンドールに命の危険まで!」という怒りも大きくなってて可愛い。男らしく、恨み事なんか表には出さないところも素敵。
全てが解決した後の、パーティで別れる時笑顔で手を振る姿が、爽やかで可愛い。

観劇後、観劇仲間と少し喋って楽しかった。
今回は一人旅だったので、ムラで東京の友達と合えると不思議な気分。
プログラムを忘れた話をしたら「それで、…ま、いいか。で済ましちゃったのー?」と笑われました(^^ゞ

ソリオの「焼きたてコーヒー」に、初めて行ったら美味しかった。コーヒーはローストした時から酸化が始まるそうで、本当に香りが良くて、口に含んだ時の香りを楽しむ為にチビチビ飲んでしまいました。

無計画で気ままな、のんびり楽しい一人旅でした。
テレビを付けたら、CSで月組「オクラホマ!」をやっていました。
もうほとんど終わり近く。そういえば、録画予約してなかった。と、そのまま見ていたら、観劇した時の演出家への怒りを思い出しました。
中村一徳先生…ショーは好きなんですよ。
スピード感のある展開と、音楽の使い方も、フォーメーションをキレイに使うのも好きなところ。
大劇場デビュー作「プレスティージュ」の時、ショーを作りたくて宝塚に入ったんです、幸せです!との発言を、「歌劇」やプログラムで読んだ気がします。確かに熱のこもった作品で、大好きでした。

でもねー。
最近は海外ミュージカルの演出のほうが多くて、どれも「なんだ、この演出は…」と、怒りたくなるものばかり。
もたーーっとした退屈な展開で、いつも平板で機械的に話が進んで、終わる。ものすごくテキトーな、練られてない、考えられてないのがすぐ分かる演出。見ていて「?」と思う事も多くて、心情的にどのキャラクターにも感情移入できない。
何よりも、舞台全体のビジュアルも主人公の行動も全て、かっこ悪い。センス悪い。
あきらかに「やっつけ仕事」な雰囲気がミエミエなんですよね。

でも、オリジナルはちゃんと頑張ってる雰囲気があるんですよね。月組久しぶりのショーとなった「REVUE OF DREAMS」は、かなり力の入った作品だったと思いますし。場面ごとのイマジネーションが、私はとても好きでした。
月組作品でいえば、全国ツアー版「サラン・愛」もありましたね。ヴィジュアル的には、美しい作品だった…と思います。
幻想のダンス場面や、戦闘場面の処理等が。祐飛さんとタニちゃんの二人が、戦いながら最期?となる、ストップモーションの場面が印象的でした。祐飛ファン的にはイ・セファン様のビジュアルの美しさは忘れられない思い出です。…お化粧が失敗じゃなかった日は^^;
ああいうちょっと和モノっぽいコスチュームものは、月組では新鮮だったんですよね、当時。

しかし!とにかく、お話がメチャクチャだった。
キャラクターの行動が本当に支離滅裂で、意味不明。
何よりも、セリフが酷かった。
会話は全て、紋切り型のセリフのみで構成されており、キャラクターに対応した言い回しなんて無し。ドリフのコントみたい。
最初のくららちゃんのモノローグの「まあ、素敵なお方!」に、吹き出してしまい、その後果てしなく続く陳腐なセリフ、突飛な行動に笑いが止まらなくなってしまって…。隣で見ていた友人からは「二度と一緒に見ない」と、怒られました。あの時、はすみませんm(__)m

多分、中村一徳先生はセリフでチンタラ語るのが、面倒なんじゃないかなー。
音楽でバーっと盛り上げて、みんなでガーっと激しく踊って、バシっとカッコよくポーズ!それから、ちょっと照明の雰囲気を変えて、ふわーんと甘いメロディを流して、ロマンティックにデュエットダンス。最後は、ウワーっと華やかなフィナーレだ!!…みたいな。
そんな思考方法で、舞台を作っているんじゃないかと。
花組さんの「エリザベート」の時、外部の仕事で大劇場では稽古に参加できなかった小池先生が、東宝のお稽古で大幅な手直しを加えた話は有名ですが。そんな事されたら、ヤル気も無くすよなーと思いつつ、そこまでしなければならない程、酷い仕事ぶりなのかと納得する。
ミュージカルの演出なんて、もうイヤです!…とは、言えないのかなー?会社員としては。観客的には、ショーだけの作家になってくれたら、ほんに有難いんだけど。

…と、思って見ていたら、きりやんがカッコ良くスーツで決めて、フィナーレの始まり。やっぱり楽しいし、カッコ良い♪
フィナーレの為に見に行く人ばかりだと、当時言われてたよなー。
そして、ねねちゃんが登場。「イヤとは言えな〜い〜」と、可愛く歌っています。アド・アニー、可愛かったなぁ。今度の放送では、忘れず録画しなくては!…と、心に決めました。

翌日、テレビを付けたら、CSで前回の「専科エンカレッジ・コンサート」をやっていました。
そういえば、録画予約してなかった。と、そのまま見ていたら。
邦なつきさんが、「イヤとは、言えな〜い〜」と、歌っています。昨日、ねねちゃんが歌っていたあの曲を、邦さんが!
…もの凄いインパクト。
満面の笑顔で「男の人にキスをされたら、ひっぱたくべきでしょう?」と、言われても…。うーん。
選曲は、本人?演出?どちらにしても、まわりの人が、「イヤ、邦さんにその曲は、ちょっと…」とは、言えなかったのかなぁ^^;
今更ですが。CSニュースの新公映像を繰り返し見ています。
もう、みんな可愛くて可愛くて可愛くて、メロメロです。

特にねねちゃん!最初に映ったときから、もう…。見ながらジタバタしちゃいました(^^)
ずっと前からお気に入りなんですが、最近の大活躍はとても嬉しいです。…でも、本当はちょっと寂しいですけどね。以前は誰も名前も知らない、私だけのお気に入りという気分で見ていたので。
最初に目についたのは「薔薇の封印」の新人公演。あいちゃんが、そのスタイルの良さを大アピールしていた「モデル」役で、登場した途端に目を奪われました。あいちゃんに負けないプロポーション!!記憶は曖昧ですが、たしかストレートロングのカツラで、リカちゃん人形が踊ってるように思えました。新公終了後に、最初に配役を探した子でしたね。
その後、「ジャワの踊り子」で、たまたま下手の端っこの前方席で見た時に、ちょうど私の前にずっといたんですね。最下級生でしたから一番恥じっこで、一生懸命一人で小芝居をしていました。舞台に立つのが楽しくて仕方がないような感じで、小芝居も踊りも全力投球。踊りといっても、群舞の一番端っこなんですが、周りから浮いてしまう程のハイテンションで。まだ若くて、痛い事も怖い事も何も知らないんだなーと、切なくなる程だったのを覚えています。
それからしばらくは、私だけのお気に入りだったんですよ。新公「エリザベート」が発表されるまでは。
あの大抜擢の後も、順調にステップアップして成長してきたねねちゃん、新公で正塚作品のヒロインができるというのは幸運なめぐり合わせだと思います。特に今回は、ヒロインの比重が高い作品でたし。
時代背景の不明な感じのドレスが多いですが、CSで映る限りはどれもキレイに着こなしていますね。体の線に沿ったラインの美しいお衣装ばかりで、スタイルの良さが際立ってます。
お芝居も、ねねちゃんそのままという感じですね。やっぱり、元気のある体当たりなヴェロニカという感じ。東宝新公楽しみです。…取れなかったけど^^;

マサオ君は…あの短い映像を見た限り、今回もそつなくこなし…マサオ的オリジナリティが見えない感じ。最近の月組新公主役は、皆さん本役さんと同じ解釈で役を作ってくるような気がするんですが…。「この子はこういう風にこの役を作るんだ」という印象も薄いし、本訳さんに対して、できてない部分ばかりが目立つような気がします。その人なりの物語を、今できる範囲で、作る姿を見たいんだけどなー。
とりあえず、そろそろセリフの声を低くしていくってのは、どうでしょう?マサオ君の声大好きなので、もっと深くしっかり喋ってくれると、それだけでポイント1000くらいアップします。

そして、そんな中、いつでも完全オリジナルな役作りをしてくるのが、みりお君。どちらかというと、できる事しかできない、いつでもそのまんまのみりお…という印象ですが。でも、ちゃんとその役としてのハートを感じるので、それでいいのです。オープニングで歌う場面、もう可愛くて可愛くて可愛くて(^^)本当に真面目で生まれつきの品のある、皇太子…というより、王子様と呼びたくなるような映像でしたね。

場面変わって、居候5人組。ヤーノシュ、流輝君が本役さんのアヒちゃんより大きくて、普通にハンサムで面白い。探偵の麻月ちゃん、エリさんのハードボイルドな感じとは違い、このメンバーのお兄さんな感じかな?ちょっと優しそう。
ものすごい顔芸をしている子がいる…と思ったら、レオー役の彩星りおん君。「ファンシーダンス」のチャレンジャーで祐飛さんとダンスを競っていた仲間ですね。ダンスは全く分からない私ですが、ダンサーっていうより顔サーだと思った子だ。いつでも表情豊かで面白いですね。今後の活躍が楽しみです。
ジグモントのるうちゃん…ちっちゃくて可愛い♪るうちゃんはいつでも爽やか〜。でも髪型はちょっと変えたほうがいいと思う。

記者会見。突然、探検家の叫び声から始まる。宇月君は、すごく真面目な感じ。本気でコンゴの彼女を愛してるんだろうなー。
シギさんのパートを歌う、りんかちゃん。すごく低い声できちんと歌っていて、びっくり。私は歌姫が低音で歌うのが大好きです。いつか、低音でかっこよく歌う機会があるといいな。
侍女三人組…三人とも可愛い。琴音和葉ちゃん、目がおっきくて瞳の表情が豊か。ずっと歌手で使われてたけど、芝居も良いのね。祐飛さんの相手役をして、褒められた子だもんね♪

ジグモントとラースロの会話。るうちゃんは、弟分みたいな感じ?るうちゃんの頭をペシッと叩く、お兄さんなラースロ麻月ちゃんが素敵。
殿下はパッショネイトの銀橋。「進み行かん」と拳を握るねねちゃんが、あまりにも力いっぱいで可愛過ぎ(^^)
墓守夫婦。アデルハイドのひまりん、ワイルドでカッコいいなー。「血と砂」で6歳だったひまりちゃんも、もう新公卒業なんだ…。
れみちゃんマレーク様と、亡霊達のダンス…CSさん、せめて、れみちゃんは顔が見える映像をちょっとくらい流して下さい〜(T_T)

シャンドールの屋敷。
司祭様の寿音ちゃん。…可愛い。私は寿音ちゃんの芝居は大好きです。あんまり映らなかったので、東京新公を楽しみにする。
そして、エヴァの見せ場。蘭乃はなちゃんは、ねねちゃんよりも幼い必死さという感じかな。やっぱり可愛いなー。

そして、殿下とマレーク様。れみちゃん、綺麗だなー。でも歌おうと、するとぶちっと映像が切れるのは何故…。
最後は主演二人のデュエット。…幸せで、優しい雰囲気が良いですね。やっぱり、宝塚は優しい雰囲気が大事です。

最後の挨拶のマサオ君は本当にボロボロですね。最後の新公なんだから、東京は頑張れよー。後ろに立っている麻月ちゃんの口元だけがずっと映っていて、マサオの言葉に反応して笑ったり秘かにうなずいたりするのが面白い。

…ふう。これを書くのに何日かかったか不明です。箇条書きのメモのようなものですが、だらだら書いてみました。
何の意味があるか不明ですが(^^ゞ書き始めたので、終わらせてみた。

MAHOROBA その2

2007年8月30日 月組
「MAHOROBA」について、続きます。

盛り上がった中詰めの後、皆さんが退場して、舞台の下手の袖に残った麻子さんが上手のかなみちゃんに手を指しのべ、余韻を残して暗転。この演出、素敵ですよねー。ロマンチックで、ありふれていそうで近頃無かった新鮮な感じで、いいなーと思います。

場面は変わり、三貴神の皆さんが不思議な楽器を奏でる中、アヒちゃん、マサキ、あいあい登場です。
緑グループの神様達と、収穫を祝う場面。
ここでやっと、この作品の各場面が、神々と人間達の関係(…神々が人間界に与える影響かな?)から始まる事気づいたのが、三度目の観劇の時^^;
私、本当に全然見えてないんだなーと自分に感心しました。色々な所で、色々な事が起こるショーなので、本当に色々と気づかない事が多くて…まだ色々ある気がします。

そして、稲刈りをしているらしい「働く男・女」の踊り。
ミズラの農民達と日本の秋の風景に、見るたびになんとなくびっくりします。そういえば、今までの場面は派手なキラキラのお衣装で、踊りも割といつものタカラヅカな感じだったんだなぁ。これは「民族舞踊」がテーマのショーだったんだよね。うん。
音楽、踊りの手の使い方、小道具の笠…全てが日本の「民芸調」で、そういえば、見る前には全てこんな田舎風になるのかと予想してたよなー。

サルメとサダルの登場、その後、オウス様が登場してサダルの歌で傘の踊り。
ファンなので、思わず、歌うサダル様の耽美風ビジュアルと、民芸調のミスマッチに目を奪われます。
しかし、せっかくの見せ場ですから笠の踊りも見なければ…と、思いつつ。
次第にテンポアップしていく音楽に合わせて、どんどん早くなっていく「働く女」達の踊りから目が離せなくなってしまうのです。
サダル様の足元に膝立ちくらいの姿勢で、上半身の踊りだけがどんどん早くなるんです。祐飛さんを見ている視界の端で、スピードアップしてく「働く女」達に気を取られ始め。まるで、飛んでいる虫から目が離せないでじーっと見ている猫の気分…いや、目の前で指をくるくる回されるトンボなのかも^^;というくらい、最後はあの娘役さんを見ていて場面が終わっています。

いや、サダル様の歌は聞いているんですよ。
「ヨロズの神に手を合わす」という印象的なフレーズ。
場面の最初に出てきた緑の神々を思い出し、万の神とはつまり人間を取り巻く自然なんだなーと、改めて思います。
作者の言葉でも、出演者のコメントでも何度も読んでますし、言葉で言えば当たり前の事に思える事ですが。こうやって、歌い踊る場面を見ると「私たちに恵みをもたらす、万の神の宿る自然に、手を合わせて感謝の祈りを捧げたい」と、自然に思いますね。
それに、自然=神々と崇めた人々の謙虚な心を、美しいなーと思いますね。
歌い終わって、娘役さんに笠を渡すサダル様が、またスマートでオトコマエ♪

この場面、分からない子達ばかりと思ってプログラムを見ると、下級生さんが多いんですね。去年配属された子達も全然覚えないままに、また10人も増えてしまったんだ…。去年の組配属の後の「暁のローマ」の東京公演のプログラムを買いそびれたのが悔やまれます。大劇場版買ったからいいか…と思って(^^ゞ
下級生さんがあんなに舞台の上に飾られている公演は、滅多になかったのに。その後「パリの空よりも高く」では、下級生さん達が舞台にいる時間は本当に短くて、全然見れなかったし。一番長く見られるロケットでは、ついスタイルの良いお気に入りさんばかり見てしまうのもいけないんだけど。

さて、観劇後に興奮のままに書き始めてしまった感想ですが。
その後の発表やら、個人的に落ち込む事があったりやらで、ちっとも進みませんねー。前回書いてからもすでに時は流れています。
いつ終わるのか、不安になってきた。東宝まで終わらなかったりして^^;

時は流れる

2007年8月24日 宝塚
なんだか、色々発表されましたねー。
色々反応したいけど。あんまり沢山あって、書く前に疲れてしまいました。まあ、別に無理して書かなくてもいいか…って事で、月組関連にだけ手短に(^^ゞ

越乃さん、月組副組長、よろしくお願いしますm(__)m
今のところ最も若い管理職ということで、大変かとは思いますが(…もしかして最もデカイのかな?)
でも、今の月組にとっては、最良の人選と思います。愛する月組の皆の為に、どうぞお力を尽くして下さい。
あの、でっかいけど可愛いナホちゃんが、副組長か…という感慨はありますが。下級生の頃から見ている生徒さんが管理職になるお年頃とは、私も宝塚ファンの新人を卒業したと言ってもいいのかな。
実をいうと、さお太さんが月組に帰ってきて副組長という噂に期待してはいたのですが…。みとさんと二人で古巣の月組に帰ってきて欲しいと思うくらいですが、みとさんが専科となれば仕方ありませんね。早く月組にも出演して下さらないかなー(^^)

で、私が宝塚ファンになったのが、天海さんの「ME AND MY GIRL」を見たからなんですよ。
13年ぶりの再演だそうで…もう、そんなになるんですね。あれから。初演のファンの方からの評判は良くないとはいえ、私にとっては大切な作品。いつか再演して欲しいとは思っていたのですが…。
私は麻かなコンビには、ビルとサリーが似合うとは思わない派なので、ちょっと複雑。
今、このコンビでは、もっとドラマチックな仕立ての方が似合うと思うんだけどなぁ。
それに、本公演でやるには役が少ないし。その少ない役を分け合う陣容も、今はちょっと違うなーと思う。エリさんも末子はんもいなくなるとなれば余計に。キャストの持ち味と作品の良さの両方がいかせない気がする。できれば、もう数年後で、みちるちゃんとかすずなとかがマリア叔母さまをできるくらいになってから…そのくらいの学年の皆さんの芸風のほうが、この作品にはあってると思うのです。今の月組上級生はちょっと芝居がウェットだから…良い悪いじゃなくて、作品と合うかどうかの問題で。
…なんて思ってしまうのは、作品に愛着があり過ぎるからかな。擦り切れる程にビデオを見てますしね。
勿論、過去と同じように演じて欲しいと思っている訳ではないのです。ただ、海外ミュージカルは役が少ないし、順番に役を振っていく宝塚では諸刃の剣。上手くいく事をひたすら祈ります。
でも、新公はみりお君のビルになると予想されるので、これはすごく楽しみ!絶対見たい(^^)
新公は他のキャストも期待ですね。この作品、過去の新公で異例の抜擢が話題になったのですが、また何かあるのかなー?

で、最後に。
祐飛さんの主演バウのヒロイン。城咲あいちゃん、決定ですね。
「大人のラブ・ストーリー」って事で、他にはいないとは思っておりましたが。
発表されて、やはりホっとしました。スタイルの良いお二人で、美しい舞台になる事でしょうね。
「マジシャンの憂鬱」のオープニングで二人で踊るところ、今までより更に力を入れて見る事になりそうです♪

MAHOROBA 

2007年8月21日 月組
月組公演、行ってきました。
前回の観劇から一週間。ショーも芝居も見違える程良くなってました。私もキョロキョロせずに落ち着いて見る事ができましたし。
贔屓組を何回も見るのって、やっぱり楽しい(^^)

ショーは、以前よりも場面ごとの色がはっきり出ていたような気がしました。美しい場面は更に美しく、楽しい場面はより楽しく、シリアスな場面はより悲壮に。前回より、心情的に入り込んで見たような気がします。

神々のキャラクターの色合いが、更にはっきり見えてきたと思いました。
オープニングで、サルメとサダルが次々と神々を紹介する場面は、本当にワクワクしてしまいます。ここは神々の紹介でもあり、月組生が次々に登場して、自分で名乗りを上げながらデモンストレーションをしていく場面でもあります。最近のショーは場面ごとにストーリー性のあるイメージが設定されている事が多く、こういうふうに”スターさん”が次々に登場してくる場面って月組では久しぶりですよね。皆さんがそれぞれの個性で、神々の性質を表現していくのが馴染んできた感じ。

この神々は、場面ごとに登場して、人間の営みに影響を与えていくのが面白いですね。
それに三貴神様たちが象徴的に登場して…特に青い髪の「スサノオ」様が、なんだか印象的な存在です。

クマソの場面、最初に登場する、火輪を背負ったもりえちゃんの火の神が、良いです。
その後クマソの男達が力強く踊る場面、結構私のツボです。
スクリーンに大きく「火」の文字が出るところとか、舞台上で叩く和太鼓の音にも、血が騒ぎますねー。
舞台の両側の端っこで太鼓を叩いているのは、下級生さんのようですが、もっとちゃんと見えるようにしてあげればいいのに。セットの陰になってほとんど見えないのが残念。
今回、幸運な事に一階後方のどセンターで見る事ができました。
エグザイルみたいといわれている振りは、あれは、大きく燃え盛る炎の表現なんだな、と思いました。やはりセンターで真正面から見るとカッコいいし、迫力がありました。

で、やはり祐飛さんの女装姿からは、目が離せません(^^ゞ
お酒をついで回った後、後ろから壷を取られた時の表情が、特に色っぽくて好きです。ちょっとだけ目を伏せるのが、なんともいえません。
一人で先に退場するとき、惑わされた三人の男が付いて行くのですが、先頭のナホちゃんの惑わされっぷりが凄くて、面白過ぎ。

続く沖縄の場面も楽しくて大好きです。
海の中のセットが可愛いし、海の泡がぶくぶく上がっていく映像は見ていると、上下感覚がなくなっていく不思議な感覚になります。
娘役さんたちの踊りは可愛いですよねー。思わずニヤけてしまいます(^^)
平太鼓の場面は、先週よりずっと楽しくなりました。もうすっかり余裕が出てきたのかな?麻子さんと目を合わせて笑う祐飛さんが、かなり可愛いです。
武術のような振りの場面は、きりやんがカッコいいしすごい。ここも血が騒ぐ場面ですね。男役さん達が沢山出ているので、誰がどこにいるのか…かぶり物で頭の形が見えにくいと、意外に見つけにくいもので…。でも、頑張ってるみんなを見たいです♪
そして、中詰めは文句なしに楽しいですね(^^)手拍子をしながら、こっそり足拍子までしてしまいます。
「ハイハイハイ!」に、合わせて手を叩くのが秘かな楽しみ♪

だらだら書いていたら、時間切れ。
また〜。
月組公演「MAHOROBA」「マジシャンの憂鬱」見てきました。
とっても楽しかったです♪

ショーは、本当に見所盛り沢山。月組ファン的には、とても一回で見きる事はできないです(^^)
とっても美しい舞台。凝った場面が次々と展開されて、目を奪われている間に夢のように終わってしまいます。
始まったら、あっと言う間に終わっている感じ。
初見が二階のS席センターブロックだったのは、とても幸運でした。フォーメーション、セット、映像全てが融合して、全体の美しさを堪能できました。
二回目は1階の端っこのほうだったのですが、群舞が多いので、人がわさわさ動いてるばっかりに見えてまるで別の作品のように感じました。半端な場所だったら、絶対二階席のほうが堪能できるショーだと思います。
舞台の上で太鼓を叩いたりするので、一階の前方だったら舞台からの迫力を感じられて良いと思いますが。…そんな席、庶民の私の手に入るものじゃ無いし^^;
ただ、照明が暗いし被り物が多いので、下級生さん達を見つけるのが大変でした。場面によってはマサオやみりお君まで分かりづらいです。

ファンとしては、祐飛さんのビジュアルの美しさだけでも満足な作品です。オウス様の先導役として紹介されますが、常にオウス様の先に立って案内…というか、エスコートしています。
手を差し伸べて道を示す姿が、とってもスマートで素敵♪

芝居のほうは、極端に言えば、まともに芝居をしているといえる役はトップコンビときりやんの三人のみ。物語に絡むのは、あいあいとシビさん。
その他の生徒さん達は主に状況説明と賑やかしとして存在する役ですね。なので、常にまとめて出てきては、いっぺんにそれぞれ面白い事をしてくれるので、見るのが大変です^^;このあたりはセリフの掛け合いで見せる役だと思うので、こなれてくるともっと面白くなりそう。一応推理ものっぽい仕立てで、麻子さんがホームズでエリさんと祐飛さんがワトソン君…という感じですね。

下級生さん達はほぼ全員の場面にしか出ませんから、お目当ての生徒さんを見つけるのは大変!これから回数を重ねて、東京公演では皆さんの「今日の小芝居」を楽しめるようになりたいです。
「エリザベート」見てきました。三度目の観劇にして、MY楽でした。

となみちゃんエリザは益々パワーアップしていたように感じました。
特に「私だけに」では、となみちゃんって、ついこの間まで星組娘役だったんだなぁと、納得してしまいました。月娘の男前な力強さを持ち、星娘のアクション性^^;を身に付けた、雪のお姫様。
最強に素敵でした♪

キムちゃんのルキーニ。ルキーニというキャラでの芝居は、最初と最後のみで、あとほとんどはナレーターとして存在します。このナレーターっぷりが、上手いですよねぇ。毎回、見るたびにテンポが良くなっていたと思います。悪戯な少年のようで、キラキラしてるルキーニ。これも有りなんだなぁ。

かなめちゃんのルドルフも、新鮮な驚きでした。
私が初めてナマの舞台で「エリザベート」を見たのは宙組版で、ルドルフは樹里さん。その後ゆみこさん、祐飛さんと見たのですが、皆さん堅実な感じで立派な“皇太子様”でした。でも、かなめちゃんのルドルフは、可哀想な綺麗な“王子様”なんですね。びっくりした〜(@_@)ルドルフってこういう役だったんだ!追い詰められたキラキラの王子様が、最後に引き金に手をかけた時、ホッとした感じの子供の顔で、僅かに微笑むのが印象的。

ひろみちゃんのエルマー。ついこの間、子供ルドルフで闇に心惹かれる少年を演じていたひろみちゃんが、こんなに立派なオジサマに(*_*)
ひろみエルマーは、ミルクの場面が良いなーと思います。ミルクが手に入らず、困窮する市民に、心から同情するエルマー。
本気で「新しい世界をこの手に掴み取ろう」とする真摯さ。そして、ルドルフを説得する場面の必死さにも心うたれます。人生の全てを賭けたハンガリーの独立を、どんな方法でも手に入れようと全霊をかけるその姿は、美しいと思います。もうすっかり老けたお姿ですが^^;
ちっちゃくて可愛かったひろみちゃんが、立派になったなあ…。

そして以前に見た時、水さんのトート閣下が誘惑者では無いと感じたのは、お姫さまなエリザベートも王子さまなルドルフも、死に誘惑されるような心の歪みを持っていないからなんだな…と思いました。水さんのトート閣下は、罠を仕掛けてはニヤリと笑って彼らを待ち受ける、「運命」の化身。
月組版では、トートを”死”と感じ取りながらも喜んで友達になる、歪んだ少年だったひろみちゃんも、今回のエルマーでは、”死”の誘惑に付け入られるような歪みは感じられません。清く正しく、革命を目指して地道な努力をしている…トートの「罠」の一部です。

最後通告の場面。となみエリザは、フランツが行ってしまった後、部屋に入ってきたトートに気付いて、自分の心が弱くなった時にトートを呼んでしまう…と思っているように感じました。
それで思い出したのですが。

月組版エリザベートで、ルドルフを演じた祐飛さんは小池先生と意見が対立したとか。
小池先生は自殺したルドルフを弱い人間だと言ったそうで。祐飛さんはルドルフは繊細な人間だけど、精神的な弱さ強さは別の話だと思い、先生と沢山話し合い、あのような役作りになったとの事。

これは私には、結構衝撃的な話でした。小池先生の心の健やかさが^^;
エネルギッシュな上に、健全で強い心の持ち主なんだなぁ…と、感心しましたね。
でもねぇ。心が弱いから、”逃げ”で自殺した、というのは現在の世間の一般的な考えかたとは思いますが…でもこれは”死”の誘惑のお話なんですよ?
”死”への憧憬って、耽美趣味の基本じゃないですか。醜く恐ろしい”死”に憧れるという、人間の本来あるべき姿ではない歪んだ心。
…闇に惹かれる欲望、甘美な毒の誘惑を体現したような、彩輝トート閣下を前にして、弱いから自殺した…なんて。
そんな単純な。
祐飛ルドルフは、トート閣下を”死”の誘惑と認識した上で「友達」と呼ぶ歪みが、美しくてとてもセクシーでした。

今回のルドルフ王子を見て、小池先生はまたルドルフは弱いから自殺したと主張したんだろうな、と思いました。小池先生が死の誘惑の甘美さを知る事はないのだろうなーと。
まあ、「エリザ」はお話がしっかりしてるからいいけど。
…「薔薇の封印」のように、耽美ファンタジー系でオリジナル作品を作るのは、もうやめておいたほうがいいかと(-_-;)
ちょっと時間がたってしまいましたが、「エリザベート」感想の続きです。

ゆみこちゃんのフランツ、何度見ても、いいですねー。
私はこの「エリザベート」という作品の中で、一番好きな役は多分フランツなんですよ。
どの役も良くできていて、感情移入してしまうので、”多分”がついてしまうのですが^^;

皇帝フランツって、色々な角度で見る事ができる人物だと思います。解釈によって、沢山の演じ方のバリエーションが想像できます。色々な相反する感情の要素を含んでいるので、どの場面、どのセリフもどんなふうにも演じられる面白い役だと思うんですよ。
演じ甲斐もあるだろうし、見ごたえもある。辛抱役で、”スター”のファンの人に好かれる役じゃないかもしれないけど。
そういう「役」としての面白さもありますし、あまりにも真面目な彼の生き方が好きなんだと思います。

ウィーン版のフランツは、気弱なマザコン男で頭も良くなさそうな、全然良い所のない情け無〜い感じでしたが、それでも好きでした。男の愛嬌と哀愁があって…人間のダメな所の可愛さ、みたいな。あれはあれで、魅力的でした。役者さんも良かったですしね。

で、ゆみこフランツ。二回目の観劇で”夜のボート”の、ゆみこちゃんの歌で泣かされました。
私は、かなりドライアイな感じで(笑)、舞台を見て泣くというのはあんまり無いのですが…やられましたね。
もちろん”歌”そのものが良かったのはありますが、ゆみこフランツのひた向きさ、真っ直ぐで揺るぎの無い心の、健やかな強さのようなものに泣かされたのだと思います。
あんなに年を取っても、若い頃と同じ強さと純粋さで愛しているなんて。決して年を取ったように見えないのでは無く、年を重ねた重みは見えるのに愛し方が変わらない気がする。CSの座談会か何かで、「フランツは超ポジティブシンキング」と小池先生がおっしゃっていたというのを聞いて、笑ってしまったのですが、ゆみこちゃんのフランツは確かにそんな感じがしますね。
となみちゃんの天然エリザベートに対抗できる、強靭なポジティブさ(^^)

あと、三度目の観劇では一幕ラストの「鏡の間」がすごく印象的でした。
「でも私の人生は私のもの」と歌うエリザベートの隣に立ったフランツに、妙な迫力があって…。
たとえ彼女の心を得る事はなくても、それでも、この女はオレのモノだ!みたいな。自分の人生と引き換えに彼女を手に入れた、高揚感と孤独感。この感じ、何かどっかで見たような?と思って…思い出したぞ!
「心中・恋の大和路」の、小判の封印を切る場面です。あの、人生を賭けてしまった一瞬のような迫力で、ゆみこさんから目が離せなかったんです。ゆみこフランツは、真面目で良い人過ぎるので、余計に印象的なんでしょうね。

この雪組バージョンを見て、「エリザベート」という作品の色を決めるのに、フランツとゾフィー親子の二人のウェイトはかなり大きいものなんだな、と思いました。
私にとって、宝塚の「エリザベート」の印象は、花組版まではずっと”華やかなホームドラマ”だったんです。月組版は”歴史上の人物、エリザベート皇后をめぐる人間ドラマ”、今回の雪組版は”トートとエリザベートのファンタジックな恋物語”という感じかな。

そして、以前の、ホームドラマの印象を決定付けていたのは、ゾフィーだったんだと、今回改めて思いました。
花組版までの、ゾフィーの物語上の位置づけは”エリザベートに敵対する姑”だったと思うのですが。月組の美々さん以降は”国の将来的な危機を見通した皇太后”という存在に変貌しました。ウィーン版でゾフィーのソロが追加され、位置づけが明確になったのに呼応したようですね。

美々さんのゾフィーは、理知的で聡明でした。ただ一人だけ、エリザベートがもたらすものに気づいている皇太后。
以前からあった歌詞ですが、美々さんが歌った事で「君主制の危機」という言葉の重要さに初めて気づいたんですよ。
教会に行かないのも、教育に批判的なのも「君主制」の立脚点を揺るがすもの。エリザベートは、単に”皇后の義務”を果たさないだけではなく、「君主制」の世の中を拒否しているという事。彼女の求める”自由”は、「死刑囚の母」の息子が叫んだ”自由”と同質なものなんですね。
女性であるエリザベートの”革命”は小さなものでしたが、麻子エリザベートは一人で孤独に戦う革命家なんだ…と、美々さんのゾフィー、ガイチさんのフランツ、祐飛ルドルフというハプスブルクの行く末を案じる人々との対比で、くっきりと見えた気がしました。

はまこさんのゾフィー様も、もはや「ホームドラマ」の世界には戻れない。この世でただ一人、ハプスブルクの危機を見通している皇太后。
男役さんの迫力で、強さが際立つゾフィー様ですが、情の深さと温かみを強く感じますね。この愛情深さが、ゆみこフランツをあんなに優しい人に育てたんですね(^^)
雪組再演版「エリザベート」が、優しく暖かい雰囲気で包まれているのは、やはりこのゾフィー・フランツ親子が色を決めているのだな、と思いました。

書きたい事が多すぎて、全然追いつけませんが…。今日はこれまでで。

夏休みの宿題

2007年8月5日 月組
夏休みの宿題は、8月の終わりになってから手を付ける子供でした。こういう性分って、生まれつきのもので。私はきっと一生変わらないんだろうな。

というワケで、月組さん。
初日おめでとうございます。今更ですが。
ネットの評判がすごく良いようで、来週行くのが楽しみです(^^)

私は久世さんトップ時代に月組ファンになったもので、今でもあの時代の月組が最高のカンパニーだと思っております。勿論、それからずっとどの時代の月組も大好きですし、今の月組の組子はみんな可愛いですけどね。でも、あの時代は特別なんです。全ての理屈を超えて、あの時代こそが、私にとっての月組。
なので、私は正塚信者です←長い前置きだ(^^ゞ

ちょうど正塚さんと久世さんが最強タッグだった頃は、まだ宝塚を知らなくて”伝説”として聞きました。自分で見たのは「バロンの末裔」のみ。なので、私には正塚先生は伝説の演出家なのです。
まあ、見てない作品も多いですけど。他組は勿論、月組もさららん&みっちゃんバウは見てないですし。…贔屓が全然ご縁が無かったので。
久しぶりに正塚作品を月組で見られるのが、もう、楽しみ過ぎて息苦しいくらいです。

金曜日からネットに張り付いて、ただ、これだけの事を書くのにこんなに時間がかかってしまいました。本当は初日までに、「あかねさす紫の花」の思い出と「雪組エリザベート」の感想を書きあげて、ムラに行くまでに、前の作品「ダル・レークの恋」の感想も書きたいと思っていたのに(泣)

…ものすごく久しぶりに、お風呂場、磨いちゃった…。
となみちゃんのエリザベートは、少女時代〜バートイシュルの場面の可愛らしさが、素晴らしいですね〜。
あの無垢な可憐さ、無邪気さが、作品全体をふわりと包むベールになっている気がします。

バートイシュルの場面の可愛いこと!もうメロメロです。皇帝陛下がメロメロになっちゃうのも、当然です。あんなに可愛くては仕方がありません。鹿の角を拾って渡された時から、もう一瞬たりとも、エリザベートから目が離せない(^^)
転がったオレンジを追いかけて拾うところは、スカートの青い部分が完全にめくれる程の勢いで、本当に可愛いの〜!
その後椅子に座って一息ついた時には、膝の間に両手をついてましたから、結構足を広げて座ってますよね。それがまた、可愛いんだ。まだまだ、子供ですよね。
ダンスを申し込まれた後、フランツと二人の場面。最初にキスをされる時、硬くなってちょっと身を引こうとするんですよね。まだ17歳なんだよねーと、しみじみしてしいます。これは月の新公で夢咲ねねちゃんもやっていた仕草ですね。(代々のエリザがどのくらいやっているのかは知りませんが)すごく好きだったので、となみちゃんも採用してくれて嬉しいです。
この後の「嵐も怖くない」は、あまりに初々しくて、幸せな場面で、だからこそ、その後の二人の人生を考えて切ない気持ちになります。ここがこんなにも、ほのぼのと優しい、幸せな場面になるとは。となみエリザのあまりの可愛いさと、ゆみこフランツの盲目っぷり^^;の為ですね。

今回、となみエリザベートを見て、「三つ子の魂百まで」と思いましたね。となみちゃんもやはり「月組娘役」の生まれなんだな、と。
今まで、全然そんな事無かったんですけどね。やはりこういう強い役になると、今まで忘れていた「月組娘役」の強さが出てきちゃったんでしょうかね^^;豪華なドレスの”皇后様”を見ながら、月組下級生時代、セリフの無いウェイトレス役などで「顔芸」をしていた頃のとなみちゃんを思い出したのが、不思議ですが^^;
私、となみちゃんの表情の演技って、月組下級生の頃から大好きだったんですよ。心の深いところから、自然に浮かんでくる作為の無い表情で。
あの大きな瞳が、感情を雄弁に語ってくれるんですよね。
となみちゃんは、本当に存在丸ごとで”エリザベート”にぶつかっているのが、小気味良いですね。
それに、スタイルが良くて、ドレスが本当に良く映えます。
娘役としては長身のとなみちゃんですが、あの豪華なドレスのゴージャズ感の為には、あのくらいの身長でのスカート丈が無いとね。
それに、デコルテのラインの美しさ。マリーアントワネットの時にも、宝塚のドレスを着る為にある首だと思いましたが(^^)エリザのほうが、ドレスのバリエーションが豊富で、娘役さんの美しさを堪能できますね♪

私は月組版の麻子エリザベートが、大好きだったんです。花組さんの大鳥さんのエリザも好きでしたが、更に強力になった、男役の演じる”意思の強い”エリザベート。あの力強いエリザを見た後、普通の娘役の演じるエリザベートは面白くないんじゃないかなーと、当時から思っておりました。
なのであまり期待は無く、でも、どんなものか興味津々で見に行きました。

でも、となみエリザベートは、私の今までのイメージを根底から覆すものでした。麻子エリザベートとは、全然違うもので面白かったですね。
「夢を売るフェアリー」のエリザベート。もぎたてのフルーツ、フレッシュで天然100%のエリザベート。
不思議な甘さと初々しさ、片意地など無く内に篭ったものでもない、悲壮感の伴わない自然な強さ。
まさにとなみちゃんの命の炎の輝きを見るような…そしてそれが、黄泉の帝王を魅了するエリザベートの命の輝きと重なっていて。
今までのイメージとは違うけれど、これもまた”エリザベート”だと納得できるものでしたね。
そして、ラストの昇天の場面の静かで穏やかな笑顔は、二度目に見て改めて感動しました。
彼女は人生の全てを受け入れ、フェアリーは”人間”になった。
人が”死”を愛する時、それは人生の全てを受け入れ、全てを愛する時なんだろうな…と。
うん、となみちゃんのエリザベート、見る事ができて、良かったです。

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