月組、「THE SCARLET PIMPERNEL」お稽古はじまりましたね。
つい先日、青年館公演が終わったばかりなのに、早い~。
そして、退団者も三人発表されました。…淋しいなぁ。
それぞれの皆さんの人生の為の決断ですから、仕方のない事ですが、やはり淋しいです。

月組「HAMLET!!」千秋楽映像をみて、書き残した感想を。
私が公演を見たのは青年館の始めのほうの土日でしたので、あれからまた良くなったなぁ…と、思いました。
今回、面白かったのは「なるほど、月組で藤井作品をやるなら、このメンバー。柴田作品は、あのメンバー。本当に上手く振り分けたなー」ということでした。
このショー「HAMLET!!」を成立させるのには、芸風にパワーと軽さを持った、このメンバーでなきゃ!…と、思いましたね(^^)
柴田作品には、芸風に湿度のある中日メンバーが似合うと、感心。今、このメンバーだからこそできた、「HAMLET!!」。作品とメンバーの出会いの妙って、あるものですね。
忘れないうちに、主演二人以外の皆様の感想を一言ずつ。発表された「THE SCARLET PIMPERNEL」の配役も併せて。

越乃リュウ(クローディアス王)
宝塚でハムレットをやるならば、こうでなくてはならないという、エロいクローディアス様でした。
ガートルード様への愛も、レアティーズにハムレットとの決闘に卑怯な手を使うように唆す場面も、力いっぱいの色気です。せっかくのクローディアス役なのだから、このショー芝居の演出でも、もう少し繊細さを見せて下さってもよかったのになぁ…というのがちょっと残念。次回はロベスピエールですね、似合いそう。楽しみです♪

五峰亜季(ガートルード王妃)
やはり色っぽい、ガートルード王妃。宝塚で、こんなにも「淫らな」という言葉が似合うなんて…と、最初はちょっと照れたりしたのですが。
ハムレットに責められてから、少しずつクローディアス王を避ける芝居が良かったです。握られた手をさりげなく離したり。微妙な女心が可愛いかったですね。
フィナーレの白いお衣装で踊る姿が可愛くて、次は明るい役の五峰さんが見たい、と思いました。

宇月颯(ホレーシオ)
冒頭にハムレットについて語るところから始まる、亡霊でありハムレットの親友。語り部。やっぱり上手い。
今回のメンバーの中では喋っても、歌っても、ダントツ上手い。勿論わかっていましたが、改めて感心。そして、かっこよかったー。
頭ちいちゃくて、スタイル良くて。なんだか”美形キャラ”分類してしまいそうでした。ホレーシオという役が、ちょっと繊細な文系キャラだからかな?
お顔の整った”美形”さんと、宝塚における”美形キャラ”は、必ずしも同じではないですが、としちゃんがこのグループに入るのは意外でした^^;

珠城りょう(レアティーズ)
中盤まるっと出てこないので出番は多くはないですが、この作品の中でかなり美味しい、主人公のライバル役。かなりいっぱいいっぱいな感じではありましたが、役として感情を動かす芝居ができていたので大丈夫だなと、思いました。
レアティーズとしての出番がない中盤に、”亡霊”達の一人として、歌って踊っている姿が、楽しそうで可愛かった(^^)
下級生の抜擢で色々と大変だとは思いますが、素直に役に入っているのが伝わってくるので、見ていて気持ちが良いです。今後もすくすくと育って欲しいですね♪

ローゼンクランツ(憧花ゆりの)
今回の、藤井演出の目玉のひとつ。ハムレットを愛する女性、ローゼンクランツ。原作とほぼ同じ台詞を言いながら、キャラクターは正反対。ハムレットに対して上辺だけ心配してみせる言葉だった台詞で、女性としての優しさと情の深さを見せる。こういう事ができるのが、シェイクスピアの面白さ…という所。きっちり見せてくれて、さすが!と思いました。最後に殺されるのは可哀想で、ここを変更しないのは謎ではあるのですが「ハムレットー!」と叫ぶ最期が、哀しく切なくて、役者さんとしては良い見せ場となった気もします。ハムレットの非情さがでる事で、逆に彼がどれ程追詰められているか、見えたのかもしれません。
しかし、次回はマリー役ですか、びっくりしたー(@_@)いや、すずなちゃんは大好きで大きな役がつくのは嬉しいのですが、学年的にも、もう素敵な女役さんだと思っていたので。前回はねねちゃんが演じたようなヒロイン系の娘役は若手に任せて、情の深い大人の女性を見たいんだけど。いや、アルマンが若いまさお・みりお君でなければ、別にいいんですけどね^^;

ギルデンスターン(鳳月杏)
可愛かった!かっこよかった!…すみません。ファンなので、冷静な事は書けないのですが(^^ゞ
ローゼンクランツ程のキャラ変更は無く、単なる”ローゼンクランツの相方”という中途半端な存在の演出。
基本はトボけたキャラで、でも、ローゼンクランツを見つめる目は優しく、ハムレットを愛して苦しむ相方に包容力も見せていました。王に見せる芝居の場面で、ローゼンクランツと二人で踊ったり、後ろで芝居を見ていたりする時も、なんだか良い雰囲気。最期の「何が起こっているかわからない」というお顔が好きでした。
あとは、水獄の場面で”水”のダンサーとして、オフィーリアを翻弄する場面が、すごく素敵。今の月組で、あの色気を出せるのは貴重な存在ですよね。踊りにも”水”の雰囲気があって、こういう「この世ならぬ存在感」を出せる所が好きなんだなーと、改めて思いました。

三人の墓堀(美夢ひまり・夏月都・白雪さち花)
美夢ひまりちゃんは、宝塚の娘役では珍しい”重み”を出せる、貴重な役者さんになったなーと、思います。
夏月都ちゃんは、毎回思い切った作りこみをしてくれて、気持ちがいいです。でも、決してやり過ぎないバランス感覚が良いと思う。どんなにオーバーアクションでも、優しさと可愛いさと”品”を損なう事は絶対にないので、安心して見られます。
白雪さち花ちゃんは、この三人で並ぶ事で可愛い悪戯っぽさと、コケティッシュな持ち味が引き立った感じ。さち花ちゃんはひまりんとは逆に、軽さが素敵にキュートでした。

彩央寿音(タッチストン/オズリック)
気付いてなかったのですが、決闘の立会い人のきっしーがオズリックなのですね。真面目な顔をして剣を合わせている所も素敵だったのですが、レアティーズに吹っ飛ばされてびっくりしているお顔が可愛くてツボでした。旅一座の座長は、ちょっとコミカルな作りでこれも可愛い。きっしーって、どんどん若くなっていく気がするのですが^^;同期のあちょーさんは、どんどん渋いオジサマになっていくのに、不思議…。次回はジェサップ役と、中々良い所につけましたね。本公演でちゃんと、きっしーとあちょーさんの芝居が見られる日が、やっと!月組ファン的に大きな喜びです♪

紗蘭えりか(トレッセル)
退団、淋しいです。いかにも月組らしい、過不足の無い抑えた演技をする人で、すごく貴重な存在だと思っていたのに。今回も台詞は勿論、宴の女としてお芝居を見ている姿が、いかにも宮廷の女性っぽくて良いなーと印象に残っていました。同期の鼓英夏さんと二人、芸達者揃いの月組88期が二人もいなくなってしまうなんて。
次回は役名は無くても、何か目立つポジションがあるといいなー。

そしてもう一人の退団者、愛那結梨ちゃん。今回の劇中劇のゴンザーゴー妻の役で、やっと覚えたと思ったのに。侍女のようなエプロン付きの場面とは、ガラっと雰囲気を変えていたのも、やるなーと思いました。三人とも、最期の公演を思い切り楽しんで、新しい道に踏み出していけるよう、祈っております。

劇中劇ゴンザーゴー(沢希 理寿)
しっかり歌ってくれて堪能できました。次回はまた女役で歌手ですね。かつての嘉月さんのように、男役女役どちらもOKの歌手として、突き進んで欲しい…という事なのかな?でも、次回は綺麗なドレスですよね、ちょっと楽しみ♪

ルシエーナス(海桐望)
ちょっと越乃クローディアスに似た雰囲気があったのが、良かったです。亡霊では目立つ髪形で注目を集め、色々な人から「あのカッコいい人、誰?」と言われてましたね。いつも大人しい印象だったのですが、今回はなんだかハジけていて、楽しそうで良かったです。

シーリア(花陽みら)
ホレーシオの妹という、オリジナル役。とはいえ、シーリアとしての出番はそんなに多くなくて、主に相槌役。ともかく、可愛いければ良し…という役。
亡霊で踊っている時が元気で楽しそうで良かったです。それに、お歌がとても良かった!ラストにとしちゃんと歌うのは、全ての思いを昇華させるに相応しい歌声でした。

えーと、目立つ役はこれくらいかな?
あと。都月みあちゃんが、宝塚の娘役らしい身のこなしになっていて、可愛さ100倍になっていた。可愛いし小柄だけどスタイルも良いけど、立ち姿や仕草がちょっとハスッパな感じがあって、そのギャップが色気ではあったけれども、ちょっと座りが悪かったので。すっきりして、ちょっと大人びていて印象に残りました。
それに”ハムレットの影”の隼海 惺君が、とっても美しくて、印象的。

そして、なんといっても先王の亡霊の研ルイスくん!フィナーレで一人だけ、白いお顔で踊っているお姿が不気味で、最高に可愛かったです。
ある意味、フィナーレの主役^^;

以上、つらつらと書いてきましたが。私は中日を見ていないので、新生月組、満月状態を見るのがとても楽しみ♪
まだま先の話ですが(^^ゞ

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