月組公演、終わってしまいましたね。
皆さん、おつかれさまでした。そして退団された、涼城まりなさん、朝桐紫乃さん、お二人のこれからのお幸せを祈っておりますm(__)m

結局、観劇は3回と新人公演。
贔屓が組替えして観劇回数が減ってしまったので、下級生さん達を見れない部分が多くて、残念。1階席の端っこの席ばかりだったので、ショーの下級生さん達は群舞の後ろのほうになると全然見えなくて(T_T)
これからは、絶対に二階席も取っておかなければ…という教訓になりました。

今まで月組は、自然に何度も見るものだったので、やはり生徒さんの皆さんに馴染み深い感覚があり。思わず懐かしい…と感じてしまいました。ちょっとさみしい。
もうすっかり花組に馴染んでしまったんだなと、改めて感じましたね。
でも、やはり私には月組の血が通っているのだな…とも思ったのです。この公演は、特にショーで感じました。
娘役さん達がとってもオトコマエなのは、もちろんとして(^^)

今回のショーは、ファンタジックな物語性のある設定の場面が多数ありました。
宙組さんの「宙 FANTASISTA」もそうだったし、藤井先生の作風なんですね。今まで贔屓組で当たらなかったので、気付かなかった。
その物語性を、月組生は基本的に「芝居」として作って見せる…と感じたのです。台詞の無い、短編のお芝居の積み重ねとして。
そういえば、同じようにファンタジー的な場面設定を作っていく草野作品「タカラヅカ・絢爛」を、星組から続演した時にも感じたのでした。
ショーとはいえ、「芝居の月組」として、演じているものなんだな、と。その為なのか、ラテンの熱い血を滾らせた星組版とは一味違い、月組版は「妖精」の設定を活かしたファンタジックな色合いの強いショーになりました。
特に、あの時は90周年の特別出演により、78期の三人が共演した事で、よりハッキリと「月組」の色合いが見えた気がしましたね。
…あれ、もう5年前なんだ(*_*)
いや、それはともかく、私は月組ファンです。次の公演は、もっと見るぞー!!

と、いうワケでパソコンの調子も悪いので、先に当ブログで唯一需要のある事を書いておきます。
ええ、鳳月杏ちゃんの事でございます(^^)
新人公演では、宰相中将(本役・星条海斗)。
実は私新人公演前に一度だけしか本公演を見ていなくて、オープニングの宮中の宴の場面、衛門督と宰相中将のご兄弟で歌っておられた事に気づいていなかったのです。誠に残念ながら、杏ちゃんがここで歌っているのも、気づかなかった(T_T)モッタイナイ…。

宰相中将は、時の政権を牛耳る、夕霧の息子。当時の超エリートですね。主人公匂宮に対して、ちょっと敵役?ともいえる人物。
それがなんとも…素敵でした。
父親の持つ権力を継ぐ気たっぷりで、周りの全ての人間を見下した、冷たい瞳。
かっこいいじゃないですか!まだまだ、可愛い下級生と思っていたのに、びっくりしました。下級生さんの一作ごとの成長には、驚かされる事が多々ありますが、本当に嬉しい驚きですね。

この冷たい瞳…というのは、下級生の男役さんには、なかなかに難しいもののようで。優しく可愛い男役さんだと、ただ顔を歪めているだけとか、なんだか不機嫌そうなだけ、下手すると「どこか具合悪いの?」と、見えてしまう事も多いです。
私が下級生時代のオオゾラさんに注目したのも、全ツ「チェーザレ・ボルジア」のドン・ミケロット役で、凍りつくような冷たい目で「暗殺者」の暗い存在を表現していたのが鮮烈だったから。
あのくらいの学年であの冷たい目を見せた人に、当時の私は初めて出会い、衝撃を受けたのです。
…その後も、そんなには出会ったことはありません。

杏ちゃんの宰相中将は、なかなかキレ者の雰囲気を持ち、年長者などの前では抑えて一歩ひいた感じ。
そのかわり、身分の低い道定君を見下すサマには、容赦がありません。
宇治の紅葉狩りで、時方・道定に道を譲らせる姿など、自然に身分の差を感じさせて良かったです。ごく自然に、”下賤の者”を区別している感じが。
本役の星条さんのワイルドでマッチョなバカにしかたとは、また全然違ったのも好印象。エリートっぽく、容赦のない感じで、杏ちゃんなりの工夫が感じられました。

「宇治川」の場面、匂宮に剣を向けるあたりは、やはり「文人」らしく、ちょっと弱そうに見えましたが^^;
自分の首に剣をあてた匂宮に慌てる姿に、ふと夕霧の父上の台詞を思い出したんです。
「源氏の血をひく皇族は、上手く操らねば。傀儡のように…」という、台詞。
どこまでも強気な表現の本役さんと違って、杏ちゃんの宰相中将は、この場面で少しハっとするような表現があったように思えました。
感情にまかせて匂宮に剣を向けた事を「失敗した」と認識して、召人達を下がらせる。その流れが見えたから、この場面の認識が変わったのだと思います。
たとえ納得できなくても、源氏の一族は匂宮をたてて、生き残っていかなければならない。
匂宮の命令に頭を垂れる芝居で、東宮と決まった匂宮が、臣下とは別次元にいる高貴な存在である事を、きちんと見せてくれました。

ショーでは、実は最初に見た時、全然見付けられなくて。
展開の早いショーなので、全体の流れを追うのに精一杯だったのは確かですが、このなに見付けられないもの?と、不思議に思っていたのですが。
二回目に見て、納得。ショーでも、ずいぶん感じが変わったんですね。
ぐっと、陰影がついたという感じ。
半年前に見た時までは、まだ可愛いイメージが残っていたのに、すっかり男役さんらしくなって。まあまあ、びっくり。
キザっても自然ですね。フツーにかっこいいです(^^)
オープニングの群舞で、たまたま列の隙間から垣間見えた時、バシッとウインクを決めてる姿を目撃した時はマジにドキっとしてしまいました(*^^*)

次の「SAUDADE(サウダージ)」は、一度見れたらいいほうだと思うのですが、人数が少ないからちゃんと見れるといいなぁ。

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