「太王四神記」-チュシンの星のもとに-
2009年1月12日 花組「太王四神記」-チュシンの星のもとに-、見てきました。
面白かった!
「スカーレット・ピンパーネル」に続き、宝塚でここまでエンターテイメントに徹した作品ができるんだなーと、小池修一郎の力を改めて感じます。
まあ、宝塚はともかくエンターテイメントですから、何よりも「面白い」事が大前提だと、私は思っています。
色々考えさせられたり、深い内容や感動も作者の主張の表現も、その後の話です。まずは面白くなくては話にならないし、意味がありません。
まあ、当たり前の事ですがねー。それがなかなか難しいのが、タカラヅカ^^;
この作品は、ともかく二時間半退屈する暇なんて無いのが嬉しいですね。
お衣装もセットも豪華で華やか、証明やLEDの使い方も美しく、ともかく「タカラヅカを見たなー」という満足感を味わえる作品だと思います。
ともかく、人間の使い方がすごく面白かったです。
宝塚の「大人数」を活かした、宝塚ならではのスペクタクル。
人海戦術という言葉どおり、本当に「人の海」が、わさわさと動き回る光景は壮観です。やっぱり見せ場は一幕後半の「天下一武道会」と、二幕後半の盾の軍団による戦闘場面ですね。
この人海戦術スペクタクルの堪能する為には、この作品は、一度は二階から!
初見は二階の端っこの新A席だったのですが、もうドキドキワクワクしちゃいました。あの、フォーメーションが変化していく処が、大好きなんですよ。
私は図形パズル系は苦手なので、ああいうのを考えられる人を、すごく尊敬しちゃうせいかもしれないですけど(^^ゞ
武道会の、鮮やかな四色のお衣装がフォーメーションで動くのは、綺麗で良いですよね。周りで見物している人達も、みなさん色々なお芝居をされていて面白いです。
そして、舞台後方からパーンと前に出てくる真っ赤なお衣装のヨン・ホゲ様は、本当に素敵でございます。やってる事はセコイですけど(笑)
一階からでは、あのフォーメーションはまるで見えないんですよね。
でも、特にメインの三人は後半に辛い展開になると、俯き加減になる事が多くて、二階後方からでは表情が見えにくい事も多いのです。
やはり、できれば、それぞれ一回ずつは見られるといいかなーと、思います。
二階からでもご贔屓の顔ばかりをオペラグラスで見ていたら、戦闘の迫力もフォーメーションのカッコ良さも見えませんから^^;
ぜひ、全体の動きを見て、ダイナミズムを感じたいものです。
ほとんどの生徒さんは、顔も見えない状態ですが、「良い舞台を作る為に、命懸で」戦っていらっしゃいますしね(^^)
そして生徒さん皆さんが、それぞれの個性を発揮して、いきいきと演じているのも嬉しいです。
キャラクターの宛て書きも、バッチリですね。
かなり下級生まで台詞や見せ場があり、ほとんどの生徒さんのファンも満足できるのはないでしょうか。娘役さん達は、ちょっと残念な処もありますが…。
タムドクの真飛さんは、完全無欠の好青年。
多分、ご本人の人柄もあんなに優しいのだろうなーと素直に思える、温かく優しい主人公。
あまりに真っ直ぐで、恵まれない者の屈折に思い至る事ができない、生真面目さ、頑なさまで含めて、完璧な王子様。
これだけ正しく善良な個性は貴重な存在だなーと、改めて納得しました。
今まで漠然と感じていた、真飛さんの真っ白な色を、きっちり見た気がして。
前回のトマスも、それほど変わらない「白い主役」だったと思うのですが、小池作品には「萌え」が無いからでしょうか(笑)
みんなが「トマスLOVE☆」だった前作よりも、タムドクの「正しさ」が前に出てきた今回のほうが真飛さんの白い色が見えたのかな?と。
谷先生脚本・演出のトマス君は、結構無茶な人物でしたしね。色々な意味で^^;
ヒロイン・キハの彩音ちゃんは、運命に翻弄される女性を涙を流しての熱演。
実は、冒頭のカジン様も結構好きです。男役のみわっちセオより、逞しくて強そうなところが(^^)
セオとカジンが二人で掴みあいをしている図が、妙に可愛くてセクシー。キャットファイトという言葉に、納得したりする(汗)
…真飛さんとオオゾラさんの戦いだって、おなじく女の子がやってるのにね^^;
キハは、どのお衣装も良く似合って素敵ですが、黒衣の妊婦姿の色っぽさがすごく好きで、いつもあの横から見たシルエットの一瞬を見逃さないように頑張っていました。
でも、カジンはファヌン様に自分の魔力を捧げて国を追われた揚句、その力もファヌン様も女王の座も全てセオに持っていかれて、可哀想な女性ですよね。
子供を奪って谷に落とした後、真っ先に「黒朱雀」と化したセオに焼かれたのでしょうし。
転生して黒朱雀と化した後、タムドクに矢で射られていたら踏んだり蹴ったりだったので、ハッピーエンドで良かったです。
そして、ヨン・ホゲ様。
純粋さのあまり、次第に心を闇に染めていくダークヒーロー。
かっこいい。美しい。そして可哀想…そこが素敵(^^ゞ
「大空祐飛」の持っている魅力を最大限に活かしたこの役を、今、この時にいただけるなんて、ファンとしてもありがたい巡りあわせだと思います。
今まで好きだった「オオゾラユウヒ」さんの姿や芝居を、いっぺんに見せてもらえる気分です。それも、今までよりグンとスケールアップした魅力的な人物として。
まだ初日が明けたばかり。これから更に深くなるだろうと思うと、わくわくします。
ヨン・ホゲ様の純粋さ、悲しみ、迷い、怒り、憎しみ…そして、愛と解放。
どこまで演じて、どんな芝居を見せて下さるかなぁ♪
武道会や二幕の戦いの場面では、なんだか「いいのかしら?」と思うような、カッコイイ演出をしてもらっているのも嬉しいです。
そして、プロダクションノートのお稽古風景を見て、本当によく頑張って…と感心したのが武道会の場面。
お衣装でなくても、一番強そうに見えるんですよ。素で強そう^^;
ダンサーでは無い、身体能力において周りの皆さんより低い筈のオオゾラさんが、全然格上の強さに見えるって凄い事だと思います。
立ち居振る舞いや、殺陣の気迫で、周りの兵士達よりも圧倒的に強そうに見える。
今まで積み重ねてきた「男役芸」の道のりを感じます。もちろん、「切られ役」となった皆さんが上手く見せて下さるおかげでもありますが。
そして、いつの間にかこっそりと、強そうなヨン・ホゲ様を超える腕前になっていたタムドク様に、観客としてもビックリできるのです。
お二人ともブラボーです(^^)
大長老・プルキル役の壮さんは、本当に楽しそう。
悪役って楽しいだろうなーとは思っておりましたが、実際にここまで楽しんで演じてらっしゃると、見ていて気持ち良いものがあります。
なんといっても、半端に自分語りなどしないで、潔く純粋と言っていい程に悪の道を邁進しているところがいいですよね。
今回は、小池作品に有りがちな「悪者ソング」が無いのも、良かったです。悪役達が組織の活動目標やら活動報告やらをコミカルなナンバーで歌うアレです。
原作が長大で、それぞれの場面に時間が無いのが幸いしたのでしょう。
嬉々として具体的に悪事を働いてくれる壮さんは、かなりステキです(^.^)
悪役は自分の事なんて語らなくていい。ただ、黙って悪い事さえやってくれたほうが、凄味があってカッコイイというのが私の持論です。
幕間5分のトークショーでは、じゅりあちゃんと二人であの扮装のまま、にこにこしながら
「私達、悪い人だとは思ってないですよね、ただ自分の道を進んでいるだけで」
「うん。そしたら、ちょっと…人とは違っちゃってた、というだけなんだよね」
と、言い合っていらして、とても素敵でした♪
…ふう、長くなってきたので、一応ここで区切ります。
続きはまた、後ほど。
面白かった!
「スカーレット・ピンパーネル」に続き、宝塚でここまでエンターテイメントに徹した作品ができるんだなーと、小池修一郎の力を改めて感じます。
まあ、宝塚はともかくエンターテイメントですから、何よりも「面白い」事が大前提だと、私は思っています。
色々考えさせられたり、深い内容や感動も作者の主張の表現も、その後の話です。まずは面白くなくては話にならないし、意味がありません。
まあ、当たり前の事ですがねー。それがなかなか難しいのが、タカラヅカ^^;
この作品は、ともかく二時間半退屈する暇なんて無いのが嬉しいですね。
お衣装もセットも豪華で華やか、証明やLEDの使い方も美しく、ともかく「タカラヅカを見たなー」という満足感を味わえる作品だと思います。
ともかく、人間の使い方がすごく面白かったです。
宝塚の「大人数」を活かした、宝塚ならではのスペクタクル。
人海戦術という言葉どおり、本当に「人の海」が、わさわさと動き回る光景は壮観です。やっぱり見せ場は一幕後半の「天下一武道会」と、二幕後半の盾の軍団による戦闘場面ですね。
この人海戦術スペクタクルの堪能する為には、この作品は、一度は二階から!
初見は二階の端っこの新A席だったのですが、もうドキドキワクワクしちゃいました。あの、フォーメーションが変化していく処が、大好きなんですよ。
私は図形パズル系は苦手なので、ああいうのを考えられる人を、すごく尊敬しちゃうせいかもしれないですけど(^^ゞ
武道会の、鮮やかな四色のお衣装がフォーメーションで動くのは、綺麗で良いですよね。周りで見物している人達も、みなさん色々なお芝居をされていて面白いです。
そして、舞台後方からパーンと前に出てくる真っ赤なお衣装のヨン・ホゲ様は、本当に素敵でございます。やってる事はセコイですけど(笑)
一階からでは、あのフォーメーションはまるで見えないんですよね。
でも、特にメインの三人は後半に辛い展開になると、俯き加減になる事が多くて、二階後方からでは表情が見えにくい事も多いのです。
やはり、できれば、それぞれ一回ずつは見られるといいかなーと、思います。
二階からでもご贔屓の顔ばかりをオペラグラスで見ていたら、戦闘の迫力もフォーメーションのカッコ良さも見えませんから^^;
ぜひ、全体の動きを見て、ダイナミズムを感じたいものです。
ほとんどの生徒さんは、顔も見えない状態ですが、「良い舞台を作る為に、命懸で」戦っていらっしゃいますしね(^^)
そして生徒さん皆さんが、それぞれの個性を発揮して、いきいきと演じているのも嬉しいです。
キャラクターの宛て書きも、バッチリですね。
かなり下級生まで台詞や見せ場があり、ほとんどの生徒さんのファンも満足できるのはないでしょうか。娘役さん達は、ちょっと残念な処もありますが…。
タムドクの真飛さんは、完全無欠の好青年。
多分、ご本人の人柄もあんなに優しいのだろうなーと素直に思える、温かく優しい主人公。
あまりに真っ直ぐで、恵まれない者の屈折に思い至る事ができない、生真面目さ、頑なさまで含めて、完璧な王子様。
これだけ正しく善良な個性は貴重な存在だなーと、改めて納得しました。
今まで漠然と感じていた、真飛さんの真っ白な色を、きっちり見た気がして。
前回のトマスも、それほど変わらない「白い主役」だったと思うのですが、小池作品には「萌え」が無いからでしょうか(笑)
みんなが「トマスLOVE☆」だった前作よりも、タムドクの「正しさ」が前に出てきた今回のほうが真飛さんの白い色が見えたのかな?と。
谷先生脚本・演出のトマス君は、結構無茶な人物でしたしね。色々な意味で^^;
ヒロイン・キハの彩音ちゃんは、運命に翻弄される女性を涙を流しての熱演。
実は、冒頭のカジン様も結構好きです。男役のみわっちセオより、逞しくて強そうなところが(^^)
セオとカジンが二人で掴みあいをしている図が、妙に可愛くてセクシー。キャットファイトという言葉に、納得したりする(汗)
…真飛さんとオオゾラさんの戦いだって、おなじく女の子がやってるのにね^^;
キハは、どのお衣装も良く似合って素敵ですが、黒衣の妊婦姿の色っぽさがすごく好きで、いつもあの横から見たシルエットの一瞬を見逃さないように頑張っていました。
でも、カジンはファヌン様に自分の魔力を捧げて国を追われた揚句、その力もファヌン様も女王の座も全てセオに持っていかれて、可哀想な女性ですよね。
子供を奪って谷に落とした後、真っ先に「黒朱雀」と化したセオに焼かれたのでしょうし。
転生して黒朱雀と化した後、タムドクに矢で射られていたら踏んだり蹴ったりだったので、ハッピーエンドで良かったです。
そして、ヨン・ホゲ様。
純粋さのあまり、次第に心を闇に染めていくダークヒーロー。
かっこいい。美しい。そして可哀想…そこが素敵(^^ゞ
「大空祐飛」の持っている魅力を最大限に活かしたこの役を、今、この時にいただけるなんて、ファンとしてもありがたい巡りあわせだと思います。
今まで好きだった「オオゾラユウヒ」さんの姿や芝居を、いっぺんに見せてもらえる気分です。それも、今までよりグンとスケールアップした魅力的な人物として。
まだ初日が明けたばかり。これから更に深くなるだろうと思うと、わくわくします。
ヨン・ホゲ様の純粋さ、悲しみ、迷い、怒り、憎しみ…そして、愛と解放。
どこまで演じて、どんな芝居を見せて下さるかなぁ♪
武道会や二幕の戦いの場面では、なんだか「いいのかしら?」と思うような、カッコイイ演出をしてもらっているのも嬉しいです。
そして、プロダクションノートのお稽古風景を見て、本当によく頑張って…と感心したのが武道会の場面。
お衣装でなくても、一番強そうに見えるんですよ。素で強そう^^;
ダンサーでは無い、身体能力において周りの皆さんより低い筈のオオゾラさんが、全然格上の強さに見えるって凄い事だと思います。
立ち居振る舞いや、殺陣の気迫で、周りの兵士達よりも圧倒的に強そうに見える。
今まで積み重ねてきた「男役芸」の道のりを感じます。もちろん、「切られ役」となった皆さんが上手く見せて下さるおかげでもありますが。
そして、いつの間にかこっそりと、強そうなヨン・ホゲ様を超える腕前になっていたタムドク様に、観客としてもビックリできるのです。
お二人ともブラボーです(^^)
大長老・プルキル役の壮さんは、本当に楽しそう。
悪役って楽しいだろうなーとは思っておりましたが、実際にここまで楽しんで演じてらっしゃると、見ていて気持ち良いものがあります。
なんといっても、半端に自分語りなどしないで、潔く純粋と言っていい程に悪の道を邁進しているところがいいですよね。
今回は、小池作品に有りがちな「悪者ソング」が無いのも、良かったです。悪役達が組織の活動目標やら活動報告やらをコミカルなナンバーで歌うアレです。
原作が長大で、それぞれの場面に時間が無いのが幸いしたのでしょう。
嬉々として具体的に悪事を働いてくれる壮さんは、かなりステキです(^.^)
悪役は自分の事なんて語らなくていい。ただ、黙って悪い事さえやってくれたほうが、凄味があってカッコイイというのが私の持論です。
幕間5分のトークショーでは、じゅりあちゃんと二人であの扮装のまま、にこにこしながら
「私達、悪い人だとは思ってないですよね、ただ自分の道を進んでいるだけで」
「うん。そしたら、ちょっと…人とは違っちゃってた、というだけなんだよね」
と、言い合っていらして、とても素敵でした♪
…ふう、長くなってきたので、一応ここで区切ります。
続きはまた、後ほど。
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