黎明の風

2008年4月29日 宝塚
先日…随分前ですが『黎明の風』『Passion 愛の旅』見てきました。
噂を聞いてすごーく期待して見に行きましたが、期待以上♪
本当にカッコよくて、素敵でした。
汝鳥 伶さんと、 美郷 真也さんが(^^)
なんて、素敵なオジサマ達!

しかも最後に、この二人のオジサマがたが、良い所を全て持っていくじゃないですか。
見終わった後に印象に残っているのは、このお二人でしたよ。
吉田のオジ様の、全てを終えた後の安堵の芝居の見せ場。
何よりも、 アメリカに旅立つ前の近藤さんに対する皆からの言葉は、退団する美郷さんへの賛辞と重なって泣けますよね。
うんうん、と頷きながら見ました。今までこつこつと努力して、頑張ってくれたんだ。
本当に、おつかれさまでした。
あったかくて優しくて、人間味のある役者さん。かすかに哀愁を滲ませた、おかしみのある芝居が本当に大好きでした。
良い芝居をたくさん見せて下さって、ありがとうございました。

作品全体としては、「ダイジェスト・白洲次郎」というイメージ。
この白洲さんというのがどういう人なのか勉強していかなかった私には、わかったような、わからんような…。
でもよく知ってから見たら、表面をなぞっただけだと思うような気がしましたが、どうなんだろう?

見てから時間がたってしまい結構忘れているのですが、私には男役さんたちの芝居が、ずーーーーっと怒鳴ったり叫んだりばかりに思えました。すっかり疲れてしまった印象があります。
熱くなるのは分かりますが、もう少し引いて見せながら、グっとくる演出って出来なかったものでしょうか。
怒鳴るばかりが、強調では無いと思うのですが…。
石田先生にそれを期待するのは、無理というもの?
みんながずーっと叫ぶ芝居ばかりなのは、むしろ一本調子に思えたのだけど。
…と、そこで、吉田のオジ様ですよ。
熱い叫び声が渦巻くなか、すっと心を落ち着かせてくれるオジ様。素敵でしたわ。

それに娘役さん達の場面でも、ほっとしました(^^)
ヒロイン、 正子役の和音 美桜さんは堂々とした演技で、気の強そうで芯の強い、しっかり者の奥様を好演。
轟さん雪組時代の、ぐんちゃんとのコンビを思い出すような、自然な似合いのご夫婦でした。
ジーンの 美羽 あさひさんも、情のある芝居で良かったなぁ。前回のシルビアより、ずっと良かったと思いました。
ポーラのアリスちゃんはキュートで生き生きして、いかにも人生を楽しむアメリカ娘がよく似合っていました。
吉田和子役の 藤咲 えりちゃん、私は初めてちゃんと見たのですが、清楚な存在感が若手娘役らしくて好印象。若い娘役にあてるのはありきたりな役だけど、最近はあまり見なかった感じで逆に新鮮…と、思ったら。
たっちんがやる筈だったのですね。という事は、本来もっとしっかりしたイメージの役だったのかな?そういえばファーストレディと言われるのが不思議だったんですが。でも可愛かったので、これはこれで良し、ですね♪

ショーは酒井先生だなぁ…というのが、まず第一印象。
神秘性のあるファンタジックなイマジネーションと、哀調を帯びたメロディが魅力の酒井ショー。きっちりと生徒の魅力を活かす、老練な…というような手堅い演出で、最近はハズレ無しという印象です。
今回は幕開きから月組の「レ・ビジュー・ブリアン」思い出させ、懐かしかったです。まるで対になった作品のように思えました。
同じく轟さんの特出だったせいかな。轟さんの扱い方が同じような感じで。

そして、お芝居では感じなかったウメちゃんの不在を強く感じました。
決して代役の方がどうというのではなく。
代役の皆さんも、まわりの皆さんも頑張ってフォローされていて、見ている間は楽しかったのです。
でも終わってみれば…。
あれは、あくまでもウメちゃんのイメージで、ウメちゃんに宛てて書かれたものなんだなぁ…としみじみ思ってしまって。
やっぱり稀有な存在の娘役さんなんですね。
ゆっくり休んで、しっかりお怪我を治して下さいね。完全復活の日を待っています。

宙組さんの男役さん達は皆さん綺麗でキラキラですね。
残念だったのは、せっかく深いスリットの入ったドレスのタニちゃんが、後ろ向きで踊ってばかりだった事かな。
せっかくの美しい足なんだからさー、足出すならもっとちゃーんと見せて欲しかったのにーー(T_T)

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