「赤と黒」

2008年4月8日 宝塚
「赤と黒」見てきました。
またもや、改めて名高い名作である事を自の目で確認できて満足でした。
「ジュリアン・ソレル」を演じてみたい役という生徒さんが多かった伝説の作品。興味津々で見たのですが。
確かに、これはやりがいがありそうだなー。納得です。
あの上演時間の中に、ありとあらゆる感情が詰め込まれていて、役者人生を余すところなく生きられる…という感じなのかな。
そのぶん、本当に大変な役だとは思いますが、とうこさんは、さすが!でした。
役者としての経験とエネルギーを、全てぶつけるような渾身の演技。素晴らしかったです。

柴田先生の名作脚本とはいえ、演出は中村暁氏。
どんな作品でも、だらだらと平板で盛り上がりの無い、退屈な作品に仕上げるという恐ろしーい才能を持った、恐怖の演出家です。
一幕は、その才能をいかんなく発揮して下さって、かなり困っていたのですが。
二幕では、とうこさんが彼の才能を力ずくでねじ伏せましたね。
いや、すごいと思いました。
あの、中村暁氏の退屈演出を凌駕する人は…覚えがない。だからこそ、私は彼を「天才・退屈演出家」と呼んでいるわけで。
少なくとも、私がナマで見た舞台では初めてです。
とうこさんの底力を見せられた思いでした。
最近は今ひとつ、とうこさんの良さを活かした作品にあたってないように思っていたのですが、この作品を見る事ができて、良かったと思いました。

あすかちゃんのレナール夫人も良かったですね。
この役が魅力的でないとお話が成り立たない、というところをきっちり演じてくれました。
辛抱役ですが、終始抑えた演技で素敵でした。
やはり娘役トップさんで、こういう役ができる人がいて欲しいと改めて思いました。この経験の積み重ねは、本当に素晴らしい。
身のこなしが本当に美しい人だなーと、改めて思いました。

そして、ねねちゃんのマチルドは可愛かった!
本当に可愛かった…うっとり。
生粋の月娘として、のびのび育ったねねちゃんですから、組替は少し心配もしていたのですが。
とうこさんが、ほんとうにがっしりと受け止めて下さって…本当に有難いです。
ねねちゃんのハートのある芝居を大切にしつつ、星組さんの色に染まり、あすかちゃんの下で宝塚娘役の様式美をきっちり学んでくれるといいな♪

そして、私は最近、星組さんを見るたびに涼さんのダンスに心奪われております。
とてもストイックで、端正な踊る姿に。
無駄な動きなど一つもなく、決して動きすぎず、絶対に形を崩す事などない。
静かな、でも、ピリッとした緊張感に満ちた美しさ。
すごいなー、素敵だなぁ。かっこいいなー。
これこそが、宝塚男役の美だよな…と感動してしまうのです。

…時間切れなので、今日はこれまで。

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